どもども〜
花が小さい原種のペラルゴニウム・パルビペタルム(Pelargonium parvipetalum)の育て方についてです。
夏季休眠型のペラルゴニウムの中では開花が早い種類で、3月中旬ごろから咲く場合もあります。
もちろん開花が早いので休眠に入るのも早く5月に入ってすぐには完全に地上部分が枯れることもあります。
実生から4年育ててみたのでまとめてみました。
画像とデータ
- 学名:Pelargonium parvipetalum
- 別名:
- 分類:フウロソウ科
- 原産:南アフリカ
- 形態:耐寒性多年草
- 耐寒性:USDA 10b(0℃前後)
- 花期:春
原産地域は南アフリカの北西部でナマクアランドと呼ばれる一帯です。
ナマクアランドと言うとメセン類やガステリアなどの多肉植物やビザールプランツ(珍奇植物)と呼ばれる植物が好きな人に有名な地域ですね。
このブログ内でもいくつか原種のペラルゴニウムをまとめてありますが、
ペラルゴニウム・パルビペタルムは記事にしてあるペラルゴニウム・ビナセウムと分布域は近く、たぶん被ってるんじゃないかと思います。
ビナセウムの記事内でも書きましたが、この辺りを初夏に通過したことがあります。
かなり乾燥していて高い木々がほとんどなく地面にちょろっと緑があるような土地です。
言うまでもなく、高い木々がほとんどない砂漠地帯に自生しているため日当たりが良い場所を好みます。
日当たりが良くない場所で管理すると、葉がだらしなく間延びし「締まらない」見た目になるのでご注意ください。
それと原産地の雨季は春の1ヶ月ほどだけで、残りの期間はほぼ雨は降らないと聞いています。
種小名のパルビペタルム(parvipetalum)ですが「ちっぽけな花びら」という意味です。
花序の大きは10cmもないので、それこそ豪華な花が咲く「ゼラニウム(ペラルゴニウム)感」がまったくなく、
「ちっぽけな花びら」という所以もわからなくはないかなと。
花びらは真ん中あたりに赤い点が入り、横から見ると上弁は直角定規のように曲がっています。
上弁が重なり合っていますが別れています。うさぎっぽく見えたりします。
草丈は15cmほど。花茎が伸びた時の高さです。葉張りは1株でだいたい10cmにしかなりません。
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育て方
冒頭で書きましたが早春咲きの種類と呼んでよいのかと思うほど夏季休眠型の原種の中では開花するのが早く、
施設状況によっては3月に入ってすぐに咲き3月下旬には満開になることがあります。
だいたい最高気温が20℃を超える時期になると咲き始めます。
年間の生育サイクルとしては、
メモ
- 冬に芽吹きが始まる
- 早春に開花
- 早春が終わる頃に開花終了
- 春真っ只中の頃には地上部分はほぼ枯れる
- 枯れたまま冬を待つ
といった感じです。
こちらのペラルゴニウムも冬に芽吹きが始まりますが、寒さに弱いため保温施設がない場所では冬越しはかなり難しいと思ってください。
休眠期に水気を避けなければならないことも含め、鉢での管理が絶対になります。
耐暑性
夏季はこのように↑球根のような見た目の根だけの状態です。
これを根茎と呼んでよいのかわかりませんが、ある程度の大きさに育つと太く丸くなった根が盛り上がりシクラメンのように土の上に出てきます。
葉が展開している時期は盛り上がった丸い球根部分はほぼ隠れます。この根は何もせずとも勝手に土の上に現れます。
花が完全に咲き終わる4月中旬にはこのような上の画像の姿になる場合が多いです。
「寝に入っている」のでどれくらいの気温に耐えられるか、というのは不明ですが気温40℃はまったく問題ありませんでした。
ただ下の方に解説してますが、休眠中の水やりは絶対にNGです。
寝ているので根が水を飲まず自然に乾くまでずっと水分が残るので、根腐れして簡単に枯死します。
他の夏季休眠型ペラルゴニウムと同じようにこのペラルゴニウム・パルビペタルムも花が咲き進みと最初に葉が枯れ始めます。
それでこのような「葉がないのに花が咲いている」という他の植物ではあまり見ない見た目になります。
最高気温が25℃をちらほら超える時期に入ると花茎のみの、みすぼらしい見た目になり枯れ休眠に入ります。
枯れ始める時期ですが、当圃場では最速で4月中旬に枯れ始めGW中に完全に枯れ休眠に入ったことがあります。
耐寒性
夏季休眠型の植物に「あるある」でこのペラルゴニウムも例外なく含まれますが、
耐寒温度的には雪と霜避けができ防風もできている無風状態での耐えられる温度としては、-2℃まででしたら葉が凍傷せず葉痛みしないのは確認しています。
それ以下の温度になると、凍傷し葉痛みして枯死することがあるので気をつけてください。
水やり
さて夏季休眠するペラルゴニウムを枯死させる最大の原因であろう、水やりについてですね。
ポイントとしては
ココがポイント
- 休眠中は断水
- 生育期でもたっぷり水やりを行わないこと
- 根腐れを防ぐために水はけが良い土に植えること
という、ペラルゴニウム・ビナセウムやペラルゴニウム・インクラサツムなどと同じです。
雨季が短く1年の大半はほぼ水分が望めない砂漠地帯という環境下で自生している植物です。
上の画像のように水切れし葉が萎れ、葉の縁が茶色くなる「焼けたような見た目」の状態から水やりしても復活します。
極端な例ですが、ここまで水やりをしなくても大丈夫です。
と言っても水切れで傷んだ葉が元に戻るのではなく、復活というのは株の中心から新しく葉が出てくるということです。
それで水やりの方法ですが
注意ポイント
他の植物のように「表土が乾いたら鉢底から水が出てくるほどたっぷりやる」と、
次の日には花茎などが萎れていかにもヤバイ見た目になり、その日の内に枯死が決定的になることがよくあります。
多くの多肉系の植物でしたら多少水が多くても枯死することはそれほどないですが、夏季休眠型ペラルゴニウムの多くは水やりの量を間違えるとけっこう簡単に枯死します。
なので水やりに不安な場合は、
おすすめ
鉢の縁の土に向けて水をかけ、株元ではなく鉢の縁の土の部分が潤うように水やりすると良いです。
植物本体や株元に向けてたとえ少量でも水やりすると、葉が蒸れて溶けそれらが腐ることで根も腐ることがあります。
水やりさえ間違えなければ攻略するのに難しくない部類の植物だな、と個人的に思っています。
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葉の形が変わります
株の古さというか新しさというのか、株が発芽して1年未満の若い株は葉の縁に切れ込みが入らず、丸っぽい形になります。
一度夏を越し2年目以降の株からは、葉に切れ込みが入ります。
ちなみ実生からの個体差は多少あるようで、切れ込みが深い葉の形の個体や切れ込みが浅い個体などがあるようです。
というわけで今日はペラルゴニウム・パルビペタルムでした~
ではでは~(^^)v
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