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ペラルゴニウム インクラサツム(Pelargonium incrassatum) の育て方。1年で半年は寝てます。

2023年7月25日

どもども~(^^)v

かなり鮮やかなピンク花が咲く原種のペラルゴニウム・インクラサツム(Pelargonium incrassatum)の育て方についてです。

早春から春ごろにかけて花が咲き、開花後に葉など地上部分が完全に枯れ晩春から晩秋の間は休眠に入るという「夏季休眠型」と呼ばれる種類のペラルゴニウムです。

経年株は根が肥大化し、場合によっては根が地上に現れるため塊根植物のような見た目になります。

それほど情報が多くなく認知度も高くないペラルゴニウムですが、実生から3年育ててみたのでまとめました。

この記事を書いた人

巨大NGOの下部組織(ブラック)で事務職という名の雑用の後に、なんとなく一人で仕事をしてみようと2008年後半から知識や資金などなど、重要なモノがほぼ0の状態から園芸を生業にした元バックパッカーです。2010年から度々NHK Eテレの趣味の園芸に出演させて頂いています。

もう少し詳しいプロフィールはこちら

画像とデータ

原種のペラルゴニウム インクラサツムの花
けっこう濃いピンク色です。
  • 学名:Pelargonium incrassatum
  • 別名:
  • 分類:フウロソウ
  • 原産:南アフリカ
  • 形態:非耐寒性多年草
  • 耐寒性:USDA 10b(0℃前後)
  • 花期:春

分布地域は南アフリカの北ケープ地方で、比較的に標高が高い場所に自生していると言われています。

ペラルゴニウム・インクラサツムの自生している場所
ブッシュマンランド(Bushmanland)と呼ばれる地域でもあり、ナミビアとボツワナとの国境に面している場所です。

カラハリ砂漠が近いということもあり、強烈に乾燥している地域です。

真夏のカハラリ砂漠を車で横断しましたが、冷房の効いた車の中でさえカラッカラで常に水で喉を潤していた記憶があります。

原種ペラルゴニウム インクラサツスムの葉
葉はこのような感じ。シルバーがかかります。

種小名のインクラスツム(incrassatum)ですが、葉が多肉質で根は分厚い、といった感じの意味です。
ですが名前の割にそれほど肉厚な感じはしないけどなぁ・・・という印象があります。


高さは花茎が伸びるとだいたい25cmほど、株張りは20cmを目安にしてください。

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育て方

濃いピンク花の原種ペラルゴニウム。
花茎はこのように伸びます。

塊根や球根系の他のペラルゴニウムと同じように、このペラルゴニウム。インクラサツムも夏季休眠型です。

生育サイクルというのか1年間の活動状況ですが、

チェック

冬の始まりごろから芽吹き開始 → 早春ごろに開花 → 初夏を迎える前に枯れる

といった感じです。

休眠期間に差がありますが園芸種のチューリップなどと似たような感じですね。

 

園芸種のチューリップの場合は梅雨を迎える前に球根が水気に晒され腐らないように掘り上げ、気温が下がる秋頃に植えるという育て方をしますが、

ざっくり言うとほぼこの育て方で良いです。

 

芽吹きから開花まではだいたい2ヶ月ぐらい。

開花してから枯れるまでは長くても2ヶ月で、芽吹きからの実働は半年弱程度です。

pelargonium incrasasatum pot

若い株の葉は切れ込みが少ない。

庭植えする人はいないでしょうが雨季と乾季がはっきり別れている地域に分布しているので、

1年を通して雨が降る日本国内で屋外管理は不可能です。鉢植えでの管理が基本となります。

 

日当たりが良い場所を好みますので、最低でも1日に6時間は直射日光が当たる場所にて管理してください。

日当たりが悪い場所ですとフニャフニャ〜っとしシャキッとしない、いかにも「徒長してます」な見た目にすぐになります。

植える土については「水はけを良く」というのを最優先にしてください。

 

何が水はけが良い土かわからない!という人は、多肉植物やサボテン専用の土や一般的な培養土に山野草の土を半分くらい混ぜたモノに植えると良いです。    

銀葉のペラルゴニウム

休眠明けに展開する葉は特にシルバーがかる。

下の方の水やりについての項目でも書きましたが水切れには強い植物で、枯れる原因のほとんどは土に含まれる水分が多いことが原因で起きる「根腐れ」です。

耐寒性

ペラルゴニウム インクラサツムのつぼみ
つぼみ。

芽吹きはだいたい11月後半から12月後半にかけてですが、霜と雪は厳禁です。

霜と雪にさらされない無風状態で防寒しても耐えられる温度はせいぜい-3℃です

気温が低くなってから芽吹いてくるので寒さに強いかと思いきや、寒いのはかなり苦手です。

耐暑性

水分は大敵!

原種ペラルゴニウムの夏の様子
葉が完全に枯れた状態。この状態で約半年放置します。

耐暑性というのか夏の時期は葉や茎など土から上に出ている部分はすべて枯れています。

そのため暑さに強い・弱い云々はありません。


気をつけたいのが「夏は眠っている状態」ので食事はおろか水も飲みません。

芽吹きのための体力は根にしっかり蓄えてあるので、そのまま放置です。

「眠っている」この状態の時に土に水分を含むと根が腐ります。絶対に水やりしてはいけないです。



雨の水ももちろんダメなので地上部分が枯れ始めたら、水分とは無縁の場所に移動させると良いかなと思います。

30℃を超えると枯れ始める

体感的に気温が30℃を超えると葉が痛み始め「眠くなるのか枯れよう」とします。

温室のような保温できる環境や施設によっては、GW過ぎには全体が完全に枯れ休眠に突入することもあると思います。


昨今の4月にたまにある「4月になのに最高気温が30℃予報」という、一時的に気温が上がった時でもたったの1日で多くの葉の先が茶色く、正気がない見た目になることもよくあります。

ただこの季節外れの「最高気温が30℃予報の日」が1日で終わり、元々の4月の気温(最高気温22℃くらい)に戻った場合には再び生育し始め新しく地中から葉となる茎が現れます。

傷んだ葉は復活することなくそのまま枯れていきます。

原種ペラルゴニウムの種
花の中にある細長い筒みたいなのが種が入ってる鞘。

地上部分がどのように枯れていくかですが、先ほども書きましたが最初に葉が痛み始めます。


その後、葉が先に完全に枯れなくなり花茎だけが残り、切り花が地面に直接刺さってるような見た目になります。



花も咲き終わると完全に「寝た」状態になります
他の夏季休眠型の多くの原種ペラルゴニウムも同じような見た目になります。

水やりについて

水やりの加減が難しい植物かなと思います(慣れてしまえば楽なんですが)。


休眠から明けて芽吹き始めの時期にたっぷり土に水を含ませると、
土の中の水が冷えて根腐れしますし、気温が上がり「寝始める」時期に水をたっぷりやってしまうと今度は根が温められ根腐れします。

なのでコツとしては生育旺盛な時期であってもたっぷりは水をやらないこと。

ポイント

土の表面が少し湿る程度であったり、ポットや鉢の隅に向けて水をかけ株から離れた場所がしっかり潤うように水やりすると良いです。

株全体に水をかけると蒸れて腐ることがあるので、水は土に向けてやると良いです。


ある程度の量が開花すると葉が傷み始めるので、株全体の葉の半分ほどが傷んだらそこからは水やりを止めます。

水やりに失敗した様子。
4月に水やりを失敗した時の様子。この時は水やりせずに乾かしておけば良かったです。

個人的に水やりして良いのかどうかで迷ったのが、上の方で書いた一時的に季節外れの気温が30℃以上になってしまい「枯れよう」とした時です。

葉に生気がなく萎れていて見た目的に水切れっぽく見えることもある時です。この時にたくさん水やりをすると上の画像のように根腐れして完全に枯れますので要注意してください。

「水切れ」なのか「枯れよう」としているのかの見分けは少し難しいですが、迷ったら何もしないというのもアリです。

水切れにはかなり強い植物なので翌日にもう一度様子を見て、鉢を持って軽く葉が萎れ瑞々しくなかったら水やりしてみてください。


というわけで今日はペラルゴニウム・インクラツムでした~

ではでは~(^^)v

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