どもども~
「通称:宿根フロックス(フロックス・パニキュラータ - Phlox paniculata)」についての育て方など総合的にまとめました。
まずはフロックス(Phlox)ですが、フロックスは一年草や多年草、はい性や立ち性、初春に開花するモノや初夏に開花するモノと、意外と横に広い植物です。
フロックスの中にはシバザクラ(P.subulata)やツルハナシノブ(P.stolonifera)という和名が付けられているものもあり、古くから国内にあるせいかいかにも日本原産っぽいですが、
どちらも北米原産です。
その他で和名が付けられているフロックスとしては、フロックス・ドラモンディ(Phlox drummondii)のキキョウナデシコ、
この記事の大部分を占める宿根フロックス(Phlox paniculata)のオイランソウまたはクサキョウチクトウがあります。
花の大きさや色など違いはありますが、なんとなく1つ1つは似ています。
それではざっくりと宿根フロックスについて解説します。
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宿根フロックスって?
宿根フロックス=Phlox paniculataです。フロックス・パニクラータやパニキュラータと呼ばれます。
パニクラータがラテン語読み、パニキュラータが英語読みです。
パニクラータが正しい読みになります。
こちらも北米原産です。
上で書きましたがオイランソウやクサキョウチクトウは和名で「宿根フロックス」というのは通称です。
覚えることが一つ増え少しややこしいですが、どちらかを覚えておくとわかる人にはわかります。
特徴
宿根フロックス(Phlox paniculata)というのは主に6月下旬から7月中旬から咲き始め、霜が降りる時期あたりまで花が咲くフロックスをこのように呼びます。
草丈が1m前後になる品種が多く、そのため英語圏では Tall Phlox (背の高いフロックス) と呼ばれたりもします。
最近は40cmほどしかならい草丈の低いブラインド・ライオンという品種もあります。
ちなみにもう一つ呼び名がありGarden Phlox(ガーデンフロックス)と呼び他のフロックスと差別化されています。
またガーデニングに使用される草花の多くは真夏は一部の一年草を除き花が咲かない・いったん開花が止まるモノが多いですが、
基本的には宿根フロックスは真夏でも休むこともなく花が咲きます。
増殖
種で勝手に発芽し増えていくことはほとんどありません。
僕は行ったことがありませんが、発芽率が良くない多年草のようです。
増えるとしたら地下茎です。地下茎で本当によく増えます。
元々植えてあった場所から少し離れた場所で居つき、数年経過すると最初に植えた場所とは違う場所でキレイに育っている、なんてことがよくあります。
冬越し
耐寒性は-20℃ほど。
越冬は地上部分をほぼ完全に無くします。
地上部分を完全に無くして越冬するからか寒さには強く、また雪が数ヶ月も積もる地域や冬の間に比較的長い期間地面が凍ったり湿っている場所でも春になると芽吹きする場合が多いです。
雪国で宿根フロックスを生産されている農家さんで、
農家さん
宿根フロックスが置いてある圃場のビニールを外し、骨組みだけにして冬中ずっと雪の中に埋もれさせておく
っと言うお話を聞いたことがあります。そのような写真も見せてもらったこともあります。
こういった訳で冬の寒さにも雪にけっこう耐えます。
注意ポイント
宿根フロックスは春の芽吹きし動き出すのが他の多年草に比べると3週間ほど遅いです。
そのため暖かくなりすぐに活動を始め地表を覆うジギタリスなどのそばに植えると、芽吹きに必要な日光を阻害され芽吹きせず枯れることがあります。
耐寒性は-20℃ほどあるものが多いので、国内でしたら寒さが直接的な原因で枯れることは考えづらいです。
芽吹きが確認できない場合はこのあたりが原因かと思います。
まとめ
宿根フロックスの性質のまとめです。
まとめ
- 初夏から咲き始める
- ほとんどの品種が草丈が1mほどになるものが多い
- 真夏でも花が咲く
- 地下茎で増える
- 地上部分をほぼなくし越冬
- 数ヶ月雪に埋もれていても問題ない
このようなわかりやすい特徴があります。
もう一つ付け加えるなら、園芸品種のいくつかは時期や気温で花の色に濃淡が出やすい、という点があります。
花色が変わったから枯れるということはないですが、ちょっとイメージが狂うかもしれませんね。
育て方
耐寒性や耐暑性などについては特徴で書いてあるのでここでは別の事柄を少し。
切り戻し
宿根フロックスは株が若い(1、2年程度)と自発的に花芽が上がりにくい性質があります。
あと茎の太さにあまり関係なく大きめの花房になります。
そのため雨が降ったあとに水滴が多く付着し花房が重くなり折れることがけっこうあります。
理由
- 若い株は一度花が咲くと次が咲きづらい
- 花房が大きく茎が折れやすい
っと、この2点を解消するために切り戻しを行うと良いです。
切り戻す位置ですが、
ココがポイント
基本的にどこから切っても新しい芽が出ます。出た芽のほとんどが花芽になります。
上の画像のようにけっこう茎の下部で切っても地際の硬い部分からでも芽は出てきます。
根が生きていれば基本的に株が枯れることはなく、切りすぎて株が枯れるということはないのでお好きな位置でお切りください。
土
土ですがけっこう肥えた土を好みます。
やはり、と言うわけではないですが数か月で1m近く育つので他の比較的短期間で伸びる植物と同じように土は肥えていたほうが良いです。
つぼみが開かない
質問っ!
花が咲かずにつぼみのまま茶色くなる
フジヤマやレッドライティングフットなどの花の大きい品種はあまりないのですが、花の小さい品種でよく起こる現象です。
こちらについてはティアラなどの八重咲き品種は頻繁になります。
原因はよくわからなく、打開策もあるわけではないですがなんとなく土が肥えてなかったり肥料が不足していると花が咲いてこないかなっという印象があります。
宿根フロックスは肥料食いではないですが、確実によく肥えた土に植えてある株の方が花が咲く数は多いです。
あと花芽が付いた茎が多いとつぼみが開かない確率が高いかなっと思います。
しっかり大きな果実を収穫するための作業の摘果のように、花芽が付いた茎を切り取ると良いかと思います。
うどんこ病
葉や株が白くなるうどんこ病が宿根フロックスにはほぼ必ず発生します。
宿根フロックスが嫌われる理由の半分くらいはうどんこ病が発生するから、と言っても過言ではない気がします。
一般的にうどんこ病は下記の状態の時によく発生します。
おさらい
- 20~25℃での状態での発生が多い
- 空気がよく乾き、雨が少ない状態
- 混植、密植の状態は発生しやすい
見た目が白っぽくなるだけでうどんこ病が発生したから多少の生育障害は出るもののすぐにその植物が枯れる、ということはありません。
さらにはうどんこ病の特徴として真夏の高温期や長雨の時期は発生が少なくなります。
気温が30℃を超えてくると自然に消えていきます。
宿根フロックスのうどんこ病の様子はこのような感じです。
対処方法
ウイルス系が引き起こす病気は出てからすぐに処置することはできますが、葉や茎が真っ白になってしまった状態など重度の状態からの対処は基本無理です。
発生前の予防が絶対です。
出る前にしっかりダコニール等の殺菌剤の散布が基本です。
もう一度書きますが、株全体が真っ白になってからは殺菌剤や治療剤の効果は望めませんのでご注意ください。
うどんこ病の対処方法についてはどの植物に対しても有効なので活用してくださいね。
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ということで宿根フロックスについてでした~
ではでは~