どもども~
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サルビアとセージって違いがあるの?種類が多いのはわかるけど、花は一緒に見えるし・・・
っとたまに質問を頂くので、サルビアとセージの違いについてまとめました。
結論から書きますが、
結論
サルビア=セージです
諸説はいくつか(いくつもない)あるものの、「こっちがサルビアで、こっちがセージ」といった見分け方であったり「花が大きい、小さい」などの特徴の違いではなく、
概念や捉え方といった違いでしかありません。
しかもその概念の違いというのも、まったく難しくなく誰でも簡単に理解ができます。
違い
答え
直前でも書きましたが、
ポイント
サルビア=セージです。
ビオラとパンジーの違いは?とまったく同じです。サルビア=セージなのです。
サルビアとセージの違いの質問を受けられた場合で具体的な理由や説明を求められず、
「とりあえず答えておけば良い」という状況でしたらこのようにお答えくだされれば良いです。
続いてそもそもなんで花の見た目が同じサルビアとセージが違うように呼ばれるか、という解説です。
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サルビアはセージです の理由
冒頭でサルビアとセージの見分け方について「概念や捉え方の違い」と書きましたが、
その理由は
理由
サルビアはラテン語で、セージは英語です。
となります。
?
いやいや・・・そうではなく・・・フワフワした理由ではなくって・・・
っと感じる人も多いかと思いますが、言葉は「その言語を使用する人の数、その国の力や影響力」を表す場合があります。
というのは、日本だと馴染み深いコンペイトウは元々はポルトガル語だった、のようなイメージです。
言語の違い
それでサルビアとセージという言語の意味の違いですが以下になります。
ポイント
- ラテン語のサルビア(Salvia)はシソ科・アキギリ属を意味します。
- 英語であるセージ(Sage)は、名詞で賢者や聖人、形容詞では賢いや考え深い、を意味します。
地球上の動物、植物、さらには菌類などの「生物」の名称には全世界の統一言語(学名)としてラテン語が採用されています。
名称の統一言語としてラテン語が採用された理由は、採用時(現在も)にラテン語を日常的にしようしている民族や国が存在せず、どの国にとっても公平だったからです。
植物は目視ができる生物としては地球上で確か53万種類(だったかな?)ともっとも種類が多いせいか、鳥のトキのように和名ではなくラテン語で呼ばれる場合が多いです(トキの学名はニッポニア・ニッポン)。
特に国内で販売されている植物のほとんどが元々の分布している地域が海外なため、ラテン語表記され導入される場合が多いです。
ラテン語は「いままで聞いたことがないため、なんとなく難しい」ように聞こえる場合があります。
サルビア・アッピナ(Salvia apiana)よりも英名のホワイトセージ(White Sage)の方が頭に残りやすいですよね。
困惑される原因
サルビアとセージの違いや見分け方・・・・っと困惑される原因として、一つの植物が持つ様々な言語での名称が原因とも考えられます。
この記事を読まれている人のほぼ100%の人は植物には、
- 学名
- 英名
- 和名(現地名)
- 商品名(流通名や品種名)
- 俗名
という5つの異なった名称が存在しているのを理解されているかと思います。
しかもどれも不正解ではありません。だから困惑するのだと思います。
「これから植物を育ててみよっ!」と前向き気持ちで検索しところ、いったいどれがどれで何がなんなのかと困惑させられ、
さらには横文字や見たことも聞いたこともないカタカナ語が無数に羅列し、「やってみよう!」という心がヘシ折られる原因ともなる名前の多さですね。
それであるサルビアをこの5つ(植物によっては3つめまでしかないものも多いです)に当てはめると、
参考
- 学名 Salvia splendens (サルビア・スプレンデンス)
- 英名 Scarlet sage(スカーレットセージ),Tropical sage(トロピカルセージ)
- 和名 ヒゴロモソウ
- 商品名(品種名) フラメンコレッド、モハベ など
- 俗名 赤サルビア、赤サル
と一つの種類のサルビアにこれだけの名称が存在しています。赤サルビアの品種は多く、まだまだたくさんの品種名が存在しています。
似たような形のものもあったりするので、似ているのも含めて結局はどれもこれも「赤サル」で片づけられます。
セージと呼ばれる理由
続いて肝心のセージについてです。
「セージ」として真っ先に取り上げられるのがサルビア・オフィシナリス(Salvia officinalis)、英名でコモンセージ(Common sage)ですね。
学名のオフィシナリスは効能のある・薬用の、といった意味で、英名のコモンセージのCommonですが、一般的な・普通の・そのへんにある、などの意味です。
原産地域は地中海沿岸ということで欧州やアラブ地域では古くから悪霊退散や女性をふくよかにする、薬用効果、などが信じられ食用としても園芸用にも使用されてきてます。
セージ(Sage)の意味である、賢人や賢い、という単語もおそらくこのように使用用途の幅が広く、薬用の効能もあると信じられてきたことが由来なのではないかと思います。
これらが理由で「コモンセージ」と呼ばれるのでしょう。
それでなぜこれが日本国内で「セージ」として定着したのかについては多少誰かを悪く言う書き方をしますが、
販売を行うのにサルビア・オフィシナリスとして紹介するよりもコモンセージとして販売した方が取っつきやすいですよね?!
さらには、「コモンセージはヨーロッパで古くから使用されている善良なハーブです」と言われると、一気に購入までのハードルが下がりません?!
そして購入される数が多いと認知度が上がりますよね。
そして日本語の特性の一つである「単語の省略」により、
- コモンセージ ➡ セージ
に変わったのだと推測しています。
おそらく昔のハーブ本とかで誰かが省略して書いたのが市民権を得てしまった、とかそんな感じだと思います。
その後にチェリーセージなど様々な「セージ」が出てきたことにより、全部ひっくるめて「セージ」になり、
サルビアとセージって違うモノなの?
ということになったのではないかと思います。というかこういった流れでしょう。
省略したことでサルビアよりも圧倒的にセージの方が言いやすいですし覚えやすいですしね。
まとめ
さてサルビアとセージの違いって?についてのまとめですが、ここからは完全に私見を。
ほとんどのサルビアに英名のセージが付いているのは、英国(イギリス)が大英帝国時代にアフリカやインドなど一時は世界の半分を攻略したと言われ、
国土が広大なアメリカやカナダ、オーストラリアを短期間でも領地化でき入植できたという背景があるのと、
やはり園芸大国である英国の影響力が何百年にも渡り大きいからだと思います。
英国自体の国土よりも何倍も大きい土地で自国の言語(英語)が使用されることで概念や思想が広まります。
英国の支配下になったことがない日本でさえ、枯山水という言葉は知らないのにイングリッシュガーデンという言葉は園芸をまったく知らない一般の人にもで浸透していますからね。
東インド会社を通じて世界的に植生が豊かな南アフリカを侵食でき植物の研究を真っ先に行えたことも大きいでしょう。
欧州には花きを産業とし研究も言語の違うオランダなども存在していて、学名を一つの特定の国の言語を使用するのではなく公平性を保つために日常的に使用されてないが存在はしているラテン語を採用されたという背景があります。
それにも関わらず、チェリーセージやホワイトセージ、クラリーセージのように英名が先行し認知されているのは、学名よりも英名のほうが覚えやすいですがやはり園芸大国・英国の影響力だと思っています。
世界遺産であるキュー植物園は「地球上の植物を集める」という目標を掲げていますし、それ相応の予算も毎年出されています。
「セージ」の認知度だけでも、植物に関しては他をなぎ倒す英国の意地が感じられるなっと思います。
それではサルビアとセージの違いについてでした~
ではでは~