どもども~(^^)v
「幻のメロン」と呼ばれるハミウリを種から育てて収穫して食べた話です。
苗の販売
2024年のハミウリの苗の販売は終了いたしました。 ➡ ハミウリの苗の販売ページへ
画像とデータ
- 学名:Cucumis melo 'Hami Melon'
- 別名:ハミメロン、ハルボゼ
- 分類:ウリ科
- 原産:ウイグル自治区
- 形態:非耐寒性一年草
- 耐寒性:
- 花期:夏
園芸2年目の頃に種の販売サイトをネットサーフィン(死語)をしていたところ
アピール
幻の中国のメロン・ハミウリ!
みたい謳い文句が印象的で
どんな味なんだろうか・・・
と思いつつも確かハミウリの存在を知ったのが10月頃でとっくに栽培時期が過ぎたので、年が明けた次の年にタネを入手して苗を作り植えて育て・・・・
と、その後7年の内に3回収穫までいくことができ(2年くらいハミウリの苗を作りませんでしたが )、
上手に育たたなく栽培になかなか手こずりましたが今回見た目的に上手くできました。
大きさの目安ですが環境にもよりますが、ツルは5m~10mほどに伸びます。
ハミウリって?
ハミウリってなんぞや?
と思われる人の方が圧倒的に多いかと思います。
簡単に言うと、カザフスタンやキルギス、タジキスタンと接している新疆ウイグル自治区内のハミ地区という中国の端に位置する所が原産と言われているウリの一種です。
詳しくはwikipediaをご覧ください→ ハミウリ
ハミウリと呼ばれる種類だけで100種類くらいあるようです。
僕が見たサイトには「世界有数の極上メロンの1つ!ハミメロン!」と書いていたサイトもいくつかありました。
でもその中には夕張メロンにも入ってました。
少ない情報
ハミウリの情報集め
「ハミウリ」で検索すると栽培の様子を書いているサイトがありません。
というか、ハミウリの存在を知った8年前に見たサイトがいまだに1ページ目に来てます。
ハミウリのGoogle検索はこちら↓ハミウリ
それくらいハミウリの知名度がない、もしくはハミウリを栽培したものの収穫まで至らなかった人が多いのでしょうか、
理由はわかりませんが情報が少なかったので本当に国内で育つのか?と疑問に思いつつも
と園芸3年目に入ったばかりのくせに、このような生意気なことを思いながらタネ播きしたのを覚えています。
いざ苗を作ってみたら
それで苗を作ってみて温室のオーナーが苗を畑に余裕がある農家さんの下へもっていき、
それから数か月後オーナーとその農家さんの畑に行ったら、
ハミウリがゴロゴロできているじゃないですか 笑
とかオーナーと話してましたが、
当時はいまのようにデジカメで植物を取る習慣もなく当時のできた様は手元にありませんが、ハミウリがゴロゴロ成っていたので僕もオーナーも
我々
楽勝でしょ
と口を揃えて言っていました・・・この「思い込み」がその後のハミウリ栽培に苦戦する理由になるのですが。
ちなみにこの時のハミウリは収穫時期がわからず熟しすぎたのと害虫による食害が多く一口も食べないまま、すべて廃棄されました。
それとこの時はハミウリを「食べてみたい」というよりも「国内で栽培できるかどうか」を重要視していました。
今思うと熟し切っていても1つでも食べておけばな~とやや後悔してます。
栽培は難しい!?
思ったよりも難しい
ハミウリ余裕じゃん!
と思い翌年、園芸4年目の時に単なるウリの1つと思いナメてかかりました 。
「ナメてかかる」というのは畑ではなく、売れ残った苗を植えこむ通称「捨て場」と呼んでる植えてから追肥など一切しない水も自然雨しかもらえない花壇に無理やり植えこみました。
結果、ある程度は育ちましたがもちろん収穫できず。 あたりまえですが。
さらに翌年と翌々年、園芸5年目と6年目は僕がハミウリの苗は作りましたがオーナーにハミウリ栽培は丸投げをし経過だけ見ましたが、
園芸6年目の時に1つだけ収穫できました。そしてその後2年はハミウリのタネ播きすらせず、
昨年に突如
と思いたち苗を作ったものの、栽培は失敗し・・・・
ハミウリ余裕じゃん!
と思ってしまったが故に完全に袋小路に入ってしまった気がしましたねー。
それでも失敗はいくつかしたのでデータは集まってましたが。
育て方
失敗した理由
ヤフー知恵袋でも栽培方法などの質問がいくつかありますが、というかハミウリの存在を知って7年近く経ちますがこのブログを書いて初めて知恵袋にハミウリの質問があるのを知りました。
たいへん参考になりました。
さて数年もの間、収穫まで行かなかった理由の考察ですが
1・ウリハムシとその幼虫による食害
2・気温が連日30℃以上にならないと育ちが良くない
3・追肥は一般的なウリ科と同じように
4・地植え(畑での栽培)を推奨します
この4点になります。
もう一点付け足すとしたら畝を作り植えた方が良い、です。
害虫
あえて画像は載せませんが、あの黒い背中にオレンジ色の頭の草食系の害虫ですね。
あまり好きではなかったですが、ハミウリのこの一件で心底嫌いになりましたね 。
ウリハムシと呼ばれるだけあり成虫は「ウリハ=瓜の葉」を食べます。
しかも人間さんが食べて美味しい果実の葉から先に食べます。
一度しっかり畝を作り地植えでハミウリの栽培を試みたことありましたが、この時に同じ畝にキュウリも植えました。
しかし面白いことに食べられる葉はハミウリばかりでキュウリは青々してまして・・・
ハミウリは甘さが際立っているせいか、「1株にこんなにウリハムシって集まるっけ?」と思う位とんでもない量が集まりました。
美味しそうにハミウリの葉を食ってらっしゃいましたよ 苦笑。
さらにウリハムシのタチが悪いのは葉を食べるだけではなく幼虫はウリ系の根を食べます。
卵は「エサ」になる根の株元に産み付けられます。根を食われた株は「青枯」と呼ばれる、青々としたまま枯れます。
この時6苗植えてすべてウリハムシの幼虫による「青枯」でやられました。
ウリハムシの幼虫による食害とわかったのは1mほどに育ったある程度の大きさの株になってきたのにもかかわらず、株を抜いてみると簡単に引っこ抜けて根がほとんどない状態になってましたからね。
ウリハムシについては農業をされている人には常識だと思います。
暑い方が育ちが良い
数年失敗をしながらハミウリを栽培してみてオーナーも僕も同じ印象が持っている事が、
ハミウリは30℃以上の日が続く季節になった方が生育が確実に良い
ということです。
GW中やGW明けに植えても本格的に育ち結実した果実が育つのも6月末から7月に入ってからです。
根拠はありませんが、8年やってみて確信したことです。
追肥
追肥ですが、一般的な夏野菜の肥料をやるタイミングで問題ないと思います。
畑での栽培を推奨します
園芸植物をポットや鉢として栽培するのを主戦場としているせいか、僕もオーナーも地植えで植物を育てると
大きく育ちすぎて場所を取るし伸びた茎や蔓を切ったりしないといけないので手間がかからるから
という理由でたいていの夏野菜は観葉植物が植えてある大きい鉢(尺鉢)や培養土が30リットル以上入る大きさのタフガーデンバッグという物で栽培します。
が、
ハミウリはかぼちゃ並みに蔓が伸びます。そこら中に蔓延ります。ということは根も地中でかなり伸びているハズです。
上のほうで
>園芸6年目の時に1つだけ収穫できました。
と書きましたが、この時はタフガーデンバッグで栽培しましたが収穫できた果実はたったの20cmほどの大きさでした。
ミニメロンより少し大きいサイズでした。35リットルでもハミウリにとっては根を張るには土の量が少ない、ということだと思います。
触感はすごく良くシャリシャリで噛み応えがありましたが味は・・・まぁ食べられるかな、という味でした。
収穫までの過程
長々とハミメロンの「序章」を書きましたが、多くの人はこれを知りたいんじゃないかな。収穫までの流れを。
果実(丸い方)
6/28ごろの様子。
これくらいの時期になるとチラホラ果実が大きく育ち始めます。それでも8割方は育たず落ちますが。
7/18ごろ
結実後20日経過した状態です。この時点でいままで見たことない形のハミウリだと判明。オーナーと笑いました。
馴染み深いハミウリは → このように細長いです
流石はGoogle先生。画像がたくさん。
7/28
この時点ではまだ丸いせいもありあふれ出る「ハミウリ感」はまったくの皆無。どちらかと言うと、マスクメロンの出来損ない?!とう見た目。
8/14の状態。「ハミウリ感」が出てきました。丸いのを除いて 笑。
周りがだいぶ枯れてきてますね。収穫時かも?、とオーナーと話合うも過去4回収穫した果実よりも色が薄いということで放置。
そして8/25頃に果実の重さで蔓が切れ無理やり収穫。そして追熟。
それで
それでトップ画像のこれが9/1です。重さは測ってませんが5kgはあったんじゃないかな。けっこう重かった~。
底のどアップ。全体が黄色く緑色の縦じま、さらに白い網目が入りここだけみると特徴がはっきり現われていて「ハミウリ感」が出てます(^^)v
果実(ラクビー形)
じつは今までの経験からハミウリはなかなか結実しにくいのはわかっていたので、カボチャのように結実しやすいように試験的に2苗を近くに植えてみました。
そしたら先祖返りしたのか、
7/28に蔓延っているハミウリの葉と蔓の茂みの中から「馴染み深いハミウリ」の形の果実を発見!
8/14の状態。うっすらスジが入ってきて「ハミウリ感」があふれ出てきてます 笑。
それで8/25頃に「丸いハミウリ」と同じように収穫し追熟。
・・・・で9/1に写真を撮ったのですが逆光になってまして果実がテカりすぎて何が何だかわからなず・・・・
もう一度取り直して載せます。
果実
もうそろそろ食べた方が良いだろう、ということで9/1に食べました。
切ってもらっている最中に薄いオレンジ色の果肉が見え思わず、
「お!」
と言ってしまいましたが、中身はハミウリしてて一安心。
それで中身は
こんな感じで見た目は美味しそう。タネがある中心部分がやや深くえぐれてるのが気になりましたが。
その後引き続きオーナーに切り分けてもらい
食べる前に
拡大写真を。
うん、「インスタ映え」は間違いなくしないね!
キレイなお皿とかに置いてそれないのシチュエーションにしたら「インスタ映え」するんだろうけど、目的はそこではないのでいつも通りに 笑。
ちなみにラグビー型のハミウリ感が出てる方のハミウリはまだ食べてません。
味
気になるお味
味ですが、
思ったよりもだいぶ薄く甘味は控えめ。食べれないことはないけどこれならスイカを食べた方が良くないか?
というモノでした。
これも理由として、
追肥を控えることで果実に栄養分を集中させるため
ということで植え込んだ場所には冬にEM菌のボカシ肥料を何回か散布したのみです。
今回果実を大きく育てることには成功しましたが味に関しては次回の課題ですね、ということで僕もオーナーも納得しました。
それでも今回できたハミウリはほのかな甘みがあり美味しかったですが。
ハミウリは触感が良い!
なぜほのかな甘みなのに美味しく感じたか、ですが
これまで4回収穫しどれも正直無条件に「美味い!!」と思う出来のモノはありませんでした。
それでも栽培し続けている理由として
ハミウリは触感がハンパなく良い
からです。
言うなれば、
梨よりも柔らかいけどスイカよりも硬くほどよいシャリシャリ感
があります。過去できたハミウリを食べるたびに
「この触感に甘味があったらさぞかし美味しいだろうな・・・」
という思いがあったからでしてね。
そのため美味しく栽培できるまではハミウリの栽培は続ける予定です。
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まとめ
注意すること
重複しますが、
注意
- ウリハムシとその幼虫による食害
- 気温が連日30℃以上にならないと育ちが良くない
- 追肥は一般的なウリ科と同じように
- 地植え(畑での栽培)を推奨します
それと、一点付け足すとしたら畝を作り植えた方が良い、です。
また、網などに這わせて果実を吊るさない方が良いです。
時間が経つと果実の重さで蔓が切れる可能性が大だからなのと、地面に這わせツルと果実をできるだけ長い間繋げておくことです。
水やり
水やりですが、基本的にメロンやスイカを栽培する感覚で良いです。葉がしおれたら与える、ような感じで。
原産地のウイグル自治区には行ったことはありませんが、中央アジアのステップ気候は圧倒的に乾燥する地域だと言われています。
降水量も少ないでしょう。タクラマカン砂漠もありますしね。
そのため土の中に水分量が多いと根腐れを起こしやすいんじゃないかと推察してます。
ハミウリの根腐れはまだ経験したことがないですが。
高畝にしてマルチを張り、露地生産ではなくできればパイプハウスの下で栽培するのがベストだと思います。
収穫の目安
収穫の目安ですが、結実して果実が大きくなり始めたらざっくりで50日くらいで収穫するとたいてい大丈夫です。
海外サイトにはスイカの収穫するように、「果実に付いてる蔓が枯れ始めたら」や「甘い匂いがしてきたら」などと書いてあるサイトがいくつかありましたが、
この2点まで待つと上の画像のように熟れすぎて痛みが入る場合があります。
そのため「50日」を目安にするのが一番良いと感じてます。
感想
ハミウリについてアレコレ6000字以上(追記を2回して7000字を超えました)で書き殴ってしまいました。
最初にお試しに栽培してもらった農家さんが何かわからず栽培して収穫しませんでしたが、
上手にたくさん果実を作ることができているので、
おそらく専業でスイカやカボチャなどを這わせて栽培されている人にとっては、ハミウリを栽培することはそれほど難しくないものだと思います。
僕らのように苗作りを主としている人よりも、果実を収穫する「専業」で行っている方は上手に作られるんじゃないかなっと思います。
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というわけで今日はハミウリでした~
ではでは~(^^)v
※追記
香港に行った際に八百屋さんでこれぞハミウリ!というハミウリを激写させてもらいました~
香港に行ったのが9月だったので時期的にまだあるのかな~なんて思いお店を覗いたら
あ・・・・・
お店の脇に・・・・
ハミウリだー!っとテンションが上がりましたが
お店で一番人目に付きそうな良い場所にはスイカが鎮座されているので序列的にもしかしたらハミウリさんの立場は下なの?
という疑問も一緒に・・・・。
生ものはもちろん持って帰れないのでこの時も食べず・・・・。
味が少し気にはなりましたが。
以上香港で発見したハミウリでした。
過去最高の出来っ!!!
見出しで書いてしまいましたが、ついに「美味しい」ハミウリに出会えましたっ!
真面目にハミウリと向かい合い8年目?9年目?ですかね。
包丁を入れてる写真のハミウリはまさに香港の八百屋さんで見たのと「瓜二つ」です。
・・・・・・ウリなだけにね。
果肉の色も良いっ!
収穫時にツルが腐っていてその腐りが果実にも広がっていますが、検索しまくりいろんなサイトで見たハミウリの断面図と似たような色をしてます。
これは期待できそうっ・・・・・でも以前の噛み応えがあるものの、味がほとんどなかったあの記憶が蘇る・・・・。
気になる2019年作ですが、
今まで同じように「シャキシャキ」した触感、それにメロンのような甘みがしっかり存在している、これがハミウリかっ!
というモノでした。
シャキシャキ感はスイカよりも硬く、冬瓜のような硬いウリを生でかじったような触感だと思ってください。
あ~しっかしようやく、というのか・・・数年の試行錯誤を繰り返しやっと美味しいハミウリに会えました。
感無量。
梅雨明けまで日照量が例年より少なかった2019年でしたが、その後の気温の上昇と地面に果実を這わせたまにひっくり返し果実全体に満遍なく日光を当てたことが功を奏したのか、理由はわかりませんが来年も同じことを行おうと思います。
もしかしたら、段階的に3回ピンチ(摘芯)して無駄にツルを伸ばさなかったのが良かったのかもしれません。
何か栽培のヒントになれば、と思います。
ではでは~