ペラルゴニウム・アウリツム(Pelargonium auritum)の育て方について。
玄人に人気の黒花の原種ですね。
SNSなどを見てると時期になると「開花しましたっ!」のような投稿を見ますが、
同じ方が次の年に「開花しました」的な投稿をそれほど目にしないので、もしや枯らした?!っと思ったので、
特徴や気を付けることを実生から5年育ててみたのでまとめました。
夏期休眠型の中では開花が遅く、芽吹きも他の種類と比べても遅いです。
画像とデータ
- 学名:Pelargonium auritum
- 別名:
- 分類:フウロソウ科
- 原産:南アフリカ
- 形態:耐寒性多年草
- 耐寒性:USDA 10b(0℃前後)
- 花期:春
分布域は主に南アフリカの西ケープ州が主になります。
ただペラルゴニウム・アウリツムは主に以下の3種あり、東ケープ州にも一部分布しています。
参考
- ペラルゴニウム・アウリツム アウリツム(P.auritum var.auritum)
- ペラルゴニウム・アウリツム カルネウム (P.auritum var.carneum)
- ペラルゴニウム・アウリツム (P.auritum)
各種見た目的な違いはまったくわからなく、正直なこの記事内のアウリツムがどれに当てはまるかわかりませんが、
(根拠はないですが)おそらくスタンダードな3番目だと思っているのでこの記事内では3番目の物として書いています。
ペラルゴニウム・アウリツムには黒花以外で白花や薄ピンク花の存在が確認されています。
花色の違いで種類が変わるということはないようです。
ペラルゴニウム・アウリツム カルネウムが分布しているポート・エリザベスは東ケープ州で、
西ケープ州とは数百キロほど離れています。
僕は南アフリカを旅行した際はブルームフォンテーンやマセル、プレトリアなど内陸部を中心に巡っていたので、
海岸側は訪れていなくどんな環境かはまったくわかりません。
ですがポートエリザベスは数百キロしかケープタウンと離れてなく海岸沿いなので、
ケープタウンのような最高気温が25℃程度で最低気温は氷点下になることはなく、比較的に年間を通じて過ごしやすい気候だろうと思います。
南アの海岸線沿いの多くの地域は年中風が強く、ダーバンのようにサーフィンの国際大会が開かれるように波が荒いです。
そのため海沿いといってもけっこう乾燥している地域が多いです。
種小名のアウリツム(auritum)ですが、ラテン語で「大きな耳を持っている」という意味です。
どこに耳的な要素が・・・・と思われますが、葉の基部がふくらんでいると耳形や耳状と呼ばれます。
葉の基部って何?と思われましたらこちらをご覧ください。
大きさですが高さは20cm、葉張り20cmを目安にしてください。
高さについては花茎の長さです。葉は地面に張り付かないですが上に向かって伸びません。
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育て方
開花時期は他の早春から春にかけて咲く夏季休眠型ペラルゴニウムの中では遅い方になります。
他のペラルゴニウムが咲いている中で、まだ蕾が確認すらできないなんてこともよくあります。
育て方など気を付けることは他の夏期休眠型ペラルゴニウムとほぼほぼ同じです。
休眠期は断水し、生育期も水やりは控えめ、という方法です。こちらについては下記にしっかりまとめました。
ペラルゴニウムなので、という訳ではないですが直射日光は1日5時間以上はしっかり当たる場所で管理してください。
生育期に日光に当たる時間が少ないと葉が変に伸びたり、
花茎がデロ~ンと弱弱しく花序(花が咲いてる部分)が太陽の方ではなく、地面に向かって首を垂れる状態になります。
耐暑性
耐暑性について上記の画像のように夏季は地上部分をほぼほぼ枯らして夏眠しているため、何度までなら耐えるというのは正直わかりません。
ただ、温室内が44℃になった日があっても気温が下がってきたら芽吹いてきたので「何度までなら耐えられる」という温度的なことを気にする必要はないかなと思います。
それこそ最高気温50℃になったり40℃以上の日が10日続くなどの割と極端な気温下でも、適切な管理ができていれば時期になると芽吹いてくるのではないかなと思います。
休眠中の水やりは厳禁
夏季休眠型ペラルゴニウムだけではないですが、多くの夏眠している植物の大敵は「水分」です。
夏眠に入り始めたら水やりを完全に止め、俗に言う「断水する」や「水を切る」ようなことをし冬の芽吹きまで放置してください。
放置する場所も一滴も水がかからない場所で、できれば風の通りがよく常に乾燥している環境が良いです。
「水を切る」のを始める時期として葉が徐々に枯れ始めてきたらを目安にすると良いです。
地域差はあると思いますが5月末から6月上旬ごろには花が咲いていても葉が徐々に茶色く枯れ始めていると思います。
花は咲いてるけど、葉は完全に枯れ地面から花茎が出ているような見た目になります。
水やりの仕方
このサイト内の夏期休眠型ペラルゴニウムの水やりの仕方は以下のようにすべて同じやり方で書いていますが、これはペラルゴニウム・アウリツムにも例外なく当てはまります。
それで水やりの方法ですが
注意ポイント
他の植物のように「表土が乾いたら鉢底から水が出てくるほどたっぷりやる」と、
次の日には花茎などが萎れていかにもヤバイ見た目になり、その日の内に枯死が決定的になることがよくあります。
多くの多肉系の植物でしたら多少水が多くても枯死することはそれほどないですが、夏季休眠型ペラルゴニウムの多くは水やりの量を間違えるとけっこう簡単に枯死します。
なので水やりに不安な場合は、おすすめ
鉢の縁の土に向けて水をかけ、株元ではなく鉢の縁の土の部分が潤うように水やりすると良いです。
植物本体や株元に向けてたとえ少量でも水やりすると、葉が蒸れて溶けそれらが腐ることで根も腐ることがあります。
こちらはペラルゴニウム・パルビペタルムから引用しましたが、まったく同じ方法で良いです。
夏を越し葉が展開し始め「生育期に入った!」と気分よく水を大量にやると、
一晩で枯れました
なんてことがホントよく起こるので水やりも葉の大きさなどを見ながら少しづつやってくださいね。
耐寒性
夏季休眠型で12月ごろから地中から新しい葉が出てくる「冬季生育型」なため、文字だけ見ると寒さにそこそこ強そうな感じがしますが
低温にけっこう弱いです。夏季休眠型の中でも低温に弱い方だと思います。
気温0℃以下の状況になると葉色がやや変わり(緑色→あめ色)、-2℃まで下がると葉が痛みます。それ以下になるとそこそこ育った株でも枯死します。
冬季に生育するとは言え耐えられる限界温度としては-3℃あたりじゃないかなと思います。
育てている環境がこれくらいまで下がりそうな場合は加温するなり、
より暖かい場所へ移動させるなどした方が良いです。
もちろん霜・雪避けと寒風を避けるのは必須です。
0℃でも強い風に晒されたら気温より寒く感じるのは人間でも同じですよね。
そのため日本国内のほとんどの地域でこのペラルゴニウムを育てようと思ったら場合は、
ビニール温室のような保温と防寒がある程度できる場所で育てることになると思います。
それでは今日は ペラルゴニウム・アウリツム についてでした~
ではでは~(^^)v