おすすめな植物
これより本題のドライガーデンにおすすめというか向いている植物を紹介いたします。
日当りを好む
拡大解釈されている人も多いと思いますが、
ドライガーデン=日当たりが良い
という認識もはなんだか納得いかなかったので、「日当たり良いのを好むもの」と「好まないもの」で分けました。
※順は不動です。思い付いたまま書きました 。
アガベ
個人的に好きなアガベです。
ホント水が要らない。鉢植えでも自発的な水やりはほぼ必要ないんじゃないかなっと思う時もあります。
アガベは寒さに弱い印象を持っている人が多いかもしれませんが、意外に耐寒性に優れているものも多いです。
上の都内のオシャレな画像の斑入りのアガベ(A.americana)は、アガベ人気もあり色々な所で目にしている人が多いと思います。
アガベの中でも特に-15℃ほどの環境の耐寒性を持つ吉祥天と呼ばれるアガベ・パリィ(A.parryi)の仲間、シルバーグレーの葉がかっこいいアガベ・オバティフォリア(A.ovatifolia)などは、ドライガーデンでなくても植栽向きなんじゃないかなっと思います。
岩手県の太平洋側で雪が少ない地域に住んでいる知り合いが、
鉢植えのオバティフォリアを防寒せず完全な屋外放置でかなりボロボロになりながらも越冬し夏前に完全に復活した、という連絡を頂いています。
ご参考までに。
ちなみにですが、柔らかくシルバーグリーンの葉でトゲがないアガベ・アテナータ(A.attenuata)の耐寒性は-3℃ほどですが、最低気温が5℃を下回る時期に入ってくると途端に見た目が悪くなります。霜や雪が当たるとかなり痛みます。
運良く冬越しができても枯れる恐れがありますので、露地植えされる際はお気をつけください。
アガベ一覧はこちら ➡ このブログ内のアガベ一覧
ユッカ
ドライガーデンと言うとまず最初に上がるのがユッカ。
アガベみたいな姿をしていますが、アガベのように数十年に一度咲くと言われている花が咲いたら枯れるわけではなく、
毎年定期的に花が咲きます。
それとユッカの特徴として、耐寒性に優れているものが多いです。
軽井沢で庭植えしても越冬できるほどの耐寒性です。
画像の幹立ちしないグロリオサ、
グロリオサもそうですが冬になると葉が全体的に紫色っぽくなるユッカ・デスメティアーナ
「青年の木」という名称で贈り物として完全に「観葉植物」としての市民権を得ていて、さらには野良化しているのを空き地などで見かけるエレファンティペス、
そしてユッカというと根強いファンの多いユッカ・ロストラータでしょう。
どれもよほどのことをやらかさない限りは枯らすのが難しい植物です。
僕のブログでもユッカ・ロストラータのページはアクセス数が多いです。
ヘスペラロエ(別名:レッドユッカ)
ユッカではないですが、ユッカの近縁種に当たるヘスペラロエ(Hesperaloe)という乾燥に強い植物があります。
レッドユッカ(Red Yucca)と呼ばれていますが、ヘスペラロエは赤い花が咲きます。
赤い花も特徴的ですが堅く細長い葉のふちにランダムに動きのある白い線毛があり、この動きのある線毛を好む人も多いでしょう。
性質もほとんどユッカと同じで耐寒性に優れていて-20℃ほどまで問題ないと言われています。
国内ではヘスペラロエはほとんど流通していないですが、少量ですが養生している株が在庫ありますのでそのうちにネットショップに掲載する予定です。
ダシリリオン
普通に生活していたらまず耳にすることのない言葉、ダシリリオン。
画像はダシリリオンの中でも人気のある葉が超細長いロンギッシマムです。上のアガベ・ユッカと同じリュウゼツラン科です。
ダシリリオンはみんながみんな葉が細長い訳ではないです。色々な形をしたものがあります。
ややレアな植物です。画像のようなそれなりのサイズはなかなか出会うことがありません。
一時期大株を何株が所有してたことがありますが、1鉢は常備しておいた方が仕事的に良いのかなっと思う今日この頃です 。
サイカス
サイカス(Cycas)と書くと
となる人は多いと思いますが、サイカスは画像の通りソテツ(C.revoluta)です。
最低で-9℃ほどまで下がったことのある僕の住んでいる地域でも露地に植えても葉は多少傷みますが問題なく越冬します。
というか、家から温室に行く途中にはソテツが途方もないくらい植えられている畑があります。
じつはソテツには「富み」の象徴として祭られたきた事実もありましてね。
徳川家康はどこかのお城の入り口に葉に黄斑が入る「金環蘇鉄」や綴化してすごい形になってる「獅子蘇鉄」を植えてた、という言われがあります。
余談ですが多くのコーデックス系やボトル系と呼ばれる植物、パッと思いつくものですとダシリリオンやトックリヤシ、パキポディウムなどの大きく成長したモノは世界の各所で「お金が貯まる植物」と言われます。
その前にこの辺りの成長がむちゃくちゃゆっくりな植物の大きくなったのを手に入れるのにそれなりの大金が必要なんですが・・・・・。
耐寒ヤシ
ヤシの木と言うとエキゾチックな熱帯地域のモノという印象を持っている人が多いと思いますが、耐寒性に優れたヤシはいくつかあります。
例えば日本には耐寒性が全ヤシ類の中でも最強クラスのヤシの仲間があります。画像のワジュロ(棕櫚、シュロチク)と呼ばれるヤシです。
北海道の一部地域でも越冬するほど寒さに強く、種まきから5年くらい経過し初めて幹が立ってくるほどの成長の遅さ、
極度の乾燥、塩(潮)、強風、直射光、日陰、とオールラウンドに優れていて使い勝手良いからか欧州で人気があります。
またシュロチク(シュロ竹)とも呼ばれています。タワシの材料など古くから日本の生活に密接な関係がある植物です。
日本に他には唐棕櫚と呼ばれるシュロがあり、こちらもワジュロと同じような性質なのでかなり寒さに強いです。
その他の耐寒性に優れたヤシとしては、ブラヘア・アルマータやヤタイヤシがあります。
ブラヘア・アルマータはシルバー葉がカッコよく、希少性もあり人気があり小苗でもなかなか良い価格です(ブラヘア・アルマータの価格を見る)。
ヤタイヤシは-10℃の環境でも若い株でない限り枯れないです。
寒さには強いですが、多少葉が霜焼けっぽくなります。
その他の耐寒ヤシというと、
- ワシントンヤシ
などがあります。
エケベリア
提案しておいてアレですが、耐寒性が優れているエケベリアっと言って七福神(E.secunda)くらいしか思い浮かびませんが。
古い家のお庭とか昔ながらの石組みの間などで見かけることが度々あります。
長野県の松本市でも見かけたことがあります。
耐寒性は-9℃ほどあります。
セダム
ユッカやアガベと並ぶドライガーデンには「鉄板」と呼ぶべき植物でしょうね。
特にマンネングサ系のセダム。
ただ単に緑葉のモノ以外にも、黄金葉タイプがあったり斑入りのモノ、
ダシフィルムや画像のヒスパニカムみたいに季節で色が変化するモノ、
茶色の葉のモノだったり、色は色々あります(ダジャレではない)。
花後に生え変わりがありやや株のボリュームが減るものもありますが、完全に地上部がなくなる訳ではないのでご安心を。
セダム一覧はこちら ➡ このブログ内のセダム一覧
この一覧の中には耐寒性がまったくないモノも入ってますので、しっかり中を読んでくださいね。
エリンジウム
ここでまさかのエリンジウムです。
となんだか怒られそうですが、品種を選べばイケるんじゃないかと思います(軽っ!)。
「イケるんじゃないか」と思う根拠はこのブログ内でもまとめてあるアガビフォリウムを真夏に鉢植えのまま露地放置してたのを忘れていたのにも関わらず、それなりのダメージを喰らいましたが地植えならここまで傷まなかったんでは?
ということがあったからです。
品種ですが僕が推せるエリンジウムとして
アガベやユッカと比べると推しがやや「弱い」ですが、秋植えして根をしっかり張った株ならドライガーデンに使用できると思います。
エリンジウム一覧はこちら ➡ このブログのエリンジウム一覧
イネ科
溶岩が乾いてでき栄養分など極端に少ない「荒地」と呼ばれるところにいち早く進出するパイオニア・プランツとして多くの種類を有するイネ科です。
パイオニア・プランツというと聞こえは良いですが、
ほとんどが雑草扱い
ですね。
「イネ科」と大雑把にした理由ですが、思い浮かんだものが多かったですが穂をつけてから冬は地上部を無くすモノが多く・・・
パニカム、アンドロポゴン、メリニス、ペニセタム、エリムスの類、逆に暑い時期に枯れやすく冬季も地上部分が無くなるホルデュームなどなど・・・・
「極力年中容姿が変わらない」というくくりだと
・フェスツカ
・スティパ
くらいですね。
ユリ科
と怒られそうですがユリ科はユリ科でもユリ科違いです(なんのこっちゃ)。
生え変わりはあるもののそれほど状態の変化は気にならず、冬季に完全に地上部がなくならないものをいくつか。
意外に好きな人が多い読んで字の如し黒竜(コクリュウ)。
成長はゆっくりです。詳しい説明は不要ですよね。
日本国内にも自生しているヤブランです。画像は黄色い斑の品種です。
白い葉のタイプはシルバードラゴンと呼ばれてますね。
ヤブランは夏に咲く濃い紫花を嫌う人が多い印象がありますが、シルバードラゴンの方は花色が薄くピンク色みたいでなかなか良い雰囲気。
乾燥していても多少水が多い場所でも、日当たりが良くても悪くても問題なく生育してくれるのドライガーデン以外の場所で役に立ちます。
こちらも沖縄の離島で自生しているのを見つけました。泳ぎ疲れて浜の近くの藪の中をウロウロしてたらまさかヤブランがいるとは露知らずですごくビックリしました。
ちなみについ数分前までこれをオオシマカンスゲだと思っていたのはここだけの話 。
スゲ(カレックス)
こちらも日本国内に自生しているカレックス。
オシメンシス(oshimensis)という名称は伊豆大島が由来と言われています。
株全体が黄金色をしたエヴァリロという品種もありますね。
他の種類のブロンズ色の葉や上に向かって伸びるタイプのカレックスもそうですが、
強い霜や雪に当たっても葉の痛みがほとんど入らず色の付いた葉モノは単体でも役に立つので要所要所で使うと良いのになっとよく思います。
もちろん水切れにもかなり強いので使えます。
全然人気ないけど。
ちなみにカレックスはカヤツリグサ科です。