(元)バックパッカーな園芸家・伊藤章太郎が植物のことを中心に綴ってます。

ショウタロウブログ

花は黄土色と紫色と変わった組み合わせ。

ヒヨス(Hyoscyamus)の育て方。寒さに強い二年草です。毒草です。

2016年7月9日

どもども~(^^)v

ヒヨス(Hyoscyamus niger)という多くの人が聞き慣れない植物の育て方についてまとめました。

トリカブトやチョウセンアサガオ、キョウチクトウなどと並ぶ毒を持つと言われる「毒草」です。

使い方を間違うと悪い意味でテレビに出られそうな可能性がありそうですね。

 

ヒヨスを育てたことがある人は少ないかと思いますので、育て方や耐寒性、耐暑性など栽培する上で気になることを。

画像とデータ

花は黄土色と紫色と変わった組み合わせ。

  • 学名:Hyoscyamus niger

  • 別名:魔女の草

  • 分類:ナス科

  • 原産:ユーラシア大陸

  • 形態:二年草(越年草)

  • 耐寒性:USDA 5a(-28℃

英名は Black henbane です。Black はともかく henbane(ヘンベイン)という単語は知らなかったのでどんな意味なんだろ?っと調べたところ、

  • hen は 小うるさい女
  • bane は 不幸やトラブルが続く原因

という2つの単語の組み合わせでした。

なんというか、毒草だからか好意的な意味は付けられていないですね。

 

ですが現在では日々草やジギタリスのように医療用として使用されているとのことです。

 

二年草ではありますが、地域によっては3月ごろに発芽した苗でも開花することがあります。

 

それとこぼれ種で増えやすい植物です。

株が完全に絶えても数年後に植えた場所から離れた所で芽が出てくることがあります。

草丈は50cmで、株張りは30cmほどです。

育て方

耐寒性

いかにも・・・な見た目?!

数年前に海外サイトを見ていて花がなんとなく特徴的で不安にさせる感じがおもしろいなぁ~ということで深く下調べせずに購入し播いてみました。

寒さについては元々はユーラシア大陸でも寒い地域の出身なせいか、北米の寒い地域にも渡り帰化しているようです。

 

そのため寒さに強いです。

冬は地上部分が地面に張り付く(ロゼット)感じで越冬します。

寒さが原因で枯れることはなかなかないかなっと思います。

耐暑性

この株が1日で枯れました。

暑さについてですが、湿度のない暑さはそれほど問題ありません。

 

それよりも湿度が70%を超える時期になると枯れる株が現れます。高湿度には弱いです。

 

元々が寒い地域出身のモノで「開花したら必ず枯れる二年草」ということもありますが、蒸枯れというのか全景が写っているようなしっかりした株でもジトっとした日に枯れることがあります。

育てる場合に太平洋側の暖地ではこの辺りのことを念頭に入れておくと、枯れてショックすることはないのかなっと思います。

害虫

けっこう食われてます。

「ヒヨス」 で検索してWikipediaなど他サイトにも書いてありますが、けっこう生々しくその毒の強さについて書いてあります。

毒の強さでは毒草が多いナス科の中でもトップ3に入るようです。

毒草だからと言って栽培していけないわけではなく、クレマチスやクリスマスローズ、ビオラやモロヘイヤのタネなんかもけっこうな毒を持ってますよね。

 

強い毒草と言っても面白いことに害虫、アブラムシやアオムシ等が付きます。

進化の過程で「食べられないために毒を持った」的な話を聞いたことがありますが、

多くの毒草がそうであるようにこのヒヨスも例外なく害虫の餌食になります。

日当りなど

日当りは直射日光が4~5時間あたれば十分に育ちます。

木漏れ陽が頻繁に当たるような、明るい半日陰ような環境でも十分です。

暗い場所でなかったら問題ないです。

花期

初めて栽培して初めて開花した時の株。

温室のような保温が出来る施設ですと開花を調整できますが、自然な環境下で花が咲くのはだいたい5月ごろからです。

初めて栽培した時のポット苗は夏野菜を作る真冬でも暖かい無加温の温室で栽培したら2月に開花しました。

ナス科だからという訳ではないですが、温度をかけると花が咲きますね。

というわけでヒヨスについてでした~

ではでは~

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