どもども~(^^)v
エリカのような葉を持つことからヒースバンクシア(Heath Banksia)という英名があるバンクシア・エリキフォリア(エリシフォリアとも Banksia ericifolia)についてです。
記事内にリンクを貼りましたが大まかな説明は「バンクシア一覧」で書きましたので、ここではエリキフォリアについての内容です。
このような内容です
- 基本的な育て方
- 耐暑性
- 耐寒性
- 培養土や肥料にリン酸が多いといけない理由
以上の内容を7年以上前に撮らせてもらった画像も何枚か使用してまとめました。
※このページ内ではエリキフォリアで統一しています。
画像とデータ
- 学名:Banksia ericifolia
- 別名:ヒースバンクシア
- 分類:ヤマモガシ科
- 原産:オーストラリア
- 形態:常緑樹
- 耐寒性:USDA 9a(-5℃前後)
- 花期:春~秋(冬でも咲く場合も)
バンクシアは酸性用土を好むと言われていますが、強アルカリ性製品のコンクリート擁壁の真隣に植えても育つというデータがありますのでpHについてはそれほど気にしなくてよいです。
花は株により赤みが強く現れたり黄色が強く現れるという個体差があります。
厳密には樹高や葉張りや枝ぶりもけっこう差があります。
そのため開花が確認できていない株がどちらが出るかというのは咲いてみないとわからないですが、基本的には赤色が多い気がします。
樹高は5m、株張りは2mほどを目安にしてください。
花は30cmの長さまで成長することもあります。
育て方
エリキフォリアは育てやすいバンクシアの中ではスピヌロサと並んで鉢植えでも比較的に花が上がりやすい種類です。
株が充実すればするほど花の数は増えるので大株になると半年は花序が上がってくるのを楽しめます。
耐寒性
エリキフォリアは最低温度が-5℃程度までしか下がらない地域でしたら問題なく露地で越冬します。
-5℃程度の気温で降りる霜でしたら、生育に問題ありません。
温度は問題ないものの「雪が30cm積もったままの状態で数週間続く」という地域では雪がかぶらないところに移動させたほうが良いでしょう。
エリキフォリアに限らずバンクシアはどちらかというと乾いた状態のほうが育ちが良いので、雪などが原因で土が長く湿っている場所ですと冬でも根腐れすることがあります。
寒さについては以前ディクソニア・アンタルクティカの耐寒実験を行った場所と同じ当圃場脇の「完全な露地」という場所に11月から放置して経過を見ました。
12月
11月から露地に放置してみました。画像の後ろにボヤッと写ってる苗や鉢植えの状態で冬なのがおわかりいただけると思います。地上部分をなくして越冬するルドベキアのヘンリーアイラーズが枯れています。
この画像を撮った前の日に5cmほどですが雪が積もりました。この次の日の朝は-5.5℃まで下がりました。
11月上旬からこの場所に出していたおかげか、シーズン初の積雪とやや急激な温度変化も難なく対応してくれました。
1月
12月の状態とほぼ変わらず青々としています。
年末からほぼ毎日霜が降りていますがまったく問題ないです。
2月
一カ月以上毎日霜に当たったせいか葉先がやや変色しました。じっくり見ないと気が付かない程度ですが。
2月でこの状態なので都内や横浜、静岡、名古屋、大阪、神戸、広島、福岡、と東海道・山陽新幹線沿線のエリアでしたら特別な寒さ対策は必要ないです。
耐暑性
耐暑性、暑さについてです。
多くのオーストラリア原産の樹木も草花も、
ココがダメ
モワッとした高温多湿の気候に耐え切れず夏の間に枯れる
という印象持っている人は決して少なくないでしょう。特に太平洋側の関東以西の暖地と呼ばれる地域や大都市圏の特有の夏の気候ですね。
しかしエリキフォリアは高温多湿に強く、気温33~40℃・湿度70%以上が一カ月続いた環境でも葉が落ちたりなどなく何事もなく夏越えしています。
気温や湿度はそれほど気にする必要はありません。
それよりも気温が高い時期は地植え・鉢植え共に乾燥に強い植物ですが、水切れに注意してください。
立ち枯れ(突然死)
マメ知識的な感じで覚えておくと良いことを。
暑さや高湿度が原因ではないですが
株が若い・古いなど関係なしに突然死は起こります。
気温が高い時に起こる傾向があり、何分「突然」なのため気を付けようがないのでこればっかりは原因がわかりません・・・。
剪定
剪定箇所とかは特にないので、真夏と真冬以外の気候の良い時期に透いたりし邪魔な枝を切ると良いです。
何かの拍子で地面に近い場所からいきなり枝が伸びてくることがありますが、
個人的に株元はスッキリさせたい方なので出てきた枝はすべて取ってしまいます。
そのような枝を育てても生育に問題はなく残す・残さないは自由ですが思いますが、見た目のバランスが悪いと思います。
プロテオイド根
クラスター根とも呼ばれる
バンクシアを上手に育てるには絶対に知っておく必要のある事柄です。
それはプロテオイド根(クラスター根)とその役割です。
この根は土中のリン酸を重点的に吸い上げる役割があり、バンクシアやリューカデンドロン、プロテアなどの限られた植物が持っているものです。
プロテオイド根は何かと言いますと、一か所に密に集まった根っといったモノです。
密に集まる=クラスター(cluster)ということでクラスター根と呼ばれます。
ヤマモガシ科の植物の多くが持ち合わせていた特徴でしたが、近年ヤマモガシ科以外の植物にもこの特徴的な根を持っている植物が発見されているため、最近はわかりやすくクラスター根と呼ばれることの方が多いです。
バンクシアを植える時にリン酸分を多く含んでいる肥料と堆肥は避ける必要がある理由ですが、単純にこの特徴的な根がリン酸過多に吸い上げるからです。
リン酸過多の状態になると葉が黄色なり葉が落ちる、ということが起こります。
バンクシアは根がやや詰まっているような状態の方が花の上がりが良いので、一度植え替えたら2年くらいは植え替えなくても良く根がしっかり回っている方が育ちが良い場合が多いです。
プロテオイド根については下記のバンクシア一覧の中でも説明しています。
というわけで今日はバンクシア・エリキフォリアでした~
ではでは~(^^)v