どもども~(^^)v
トリフォリウム・オクロレウコン(Trifolium ochroleucon)という超絶聞き慣れないマメ科の多年草についてです。
一言で言い表すなら巨大クローバーです。花の部分が6cmあります。
シノニム(同義語)としてオクロレウクム(カム)(T.ochroleucum)があり、どちらの名称でも呼ばれますが、検索するとオクロレウコンの方が支持されている感じなのでこのページ内で葉オクロレウコンを採用しました。
育て方や耐寒性などの特性は、基本的なクローバーとほとんど同じです。
若干湿度が高い環境に弱いかなっという印象ですね。
画像とデータ
- 学名:Trifolium ochroleucon
- 別名:サルファークローバー
- 分類:マメ科
- 原産:アイルランド、イングランド、オランダ
- 形態:耐寒性多年草
- 耐寒性:USDA 7b(-15℃前後)
- 花期:春
自生している多くの場所は草原のような環境です。
そのためアイルランド等の分布地域の耕作地化が進んでいるため、見かける機会がかなり減ってきているようです。
別名のサルファークローバーについて。サルファー(Sulphur)が英語で硫黄という意味ですが、「硫黄なクローバー」っと直訳すると意味がわかりませんが、
なんとなく花が咲き終わった直後の茶色っぽいのが「硫黄色」だからこのような英名が付いたのかなっと勝手に思っています。
草丈は50cm、株張り50cmを目安にしてください。
育て方
基本的にクローバーなので、育てやすいです。
気をつけることは暑さよりも水やりの回数が多い、または保水力のある土に植えたことでの根腐れに注意してください。
耐寒性
寒さには強いです。
おそらく国内で寒さが原因で枯れる地域は標高3000mなど極端な位置など限られた場所になるかと思います。
下記にも書きましたが、山梨県のSimply Garden さんのガーデンでも宿根しています。
耐暑性
気をつけるべきは暑さですね。
暑さと寒さでは一般的なクローバーと同じように暑いのが苦手です。
性質的に花が咲き終わった後はこちらも他のクローバーと同じように株のボリュームが落ち、また葉が汚くなり枯れたような感じになります。
夏に地上部分が汚くなり枯れた感じの後は、最高気温が25℃以下になる時期になると地下から新しい芽が出てきます。
地域差はありますが、だいたい9月中下旬ごろから生育し始めます。
気をつけよう
多年性のこのクローバーを3年ほど国内有数の高温多湿地帯である愛知県で鉢植え・地植えの両方で経過を見ていますが、
爆咲きした年の株はたいてい夏を越せず枯れてます。
「開花したから枯れる」というわけではなく、開花した株でも夏越しした株はいくつもあるので「性質」なのか、
俗に言うところの「短命な多年草」なのかもしれません。
もう一点なんとなく思う事として、保水力のある土や水はけの悪い土に植えると根腐れしやすいです。
分布地域から考えるとアイルランドなど真夏でも最高気温が30℃を超える日がほとんどなく、夏の湿度は低い地域に自生している植物です。
そのため高温は耐えられても高湿度に耐えられない一番の理由は原産地との気候の差でしょう。
そのため庭植えにしても鉢植えにしても水はけをバツグンに良くする、ということを意識してください。
庭植えにする場合は株元が蒸れないように株間をしっかり取り、密植えをしない・ならないように植えると良いです。
また夏越しで気をつけることとしては、根の張りが弱く株が充実していないままで日本の夏を向かえてしまうことですかね。
できたら他の春咲きの多年草や宿根草と同じように秋に植えると良いです。
秋植えについてはこちらをご覧ください。秋植えについて。
これら2点はこのクローバーを植えてみようと考えられている人は頭に入れておくと良いかと思います。
増殖
マメ科なので種さやが出来、その中にマメが出来ます。
愛知県ではこぼれ種では増えた例をまだ確認してませんが、山梨のSimply Gardenさんではこぼれ種で自然増殖しているという情報を頂いています。
2年続けて開花株を当圃場で管理していますが、まだ一度もこぼれ種で増殖したことがありませんので高温多湿地域では自然に増えることはたぶんないです。
またポリネーター(受粉媒体者)の関係なのか、これだけ大きい花が咲くのに一度も種が出来たことがありません。
太平洋側の暖地と呼ばれる地域では実生苗からだいたい2年目で開花します。
自然増殖しないのでお庭に植えられる場合は勝手に蔓延る心配もなく、ある意味で使い勝手の良い植物じゃないかなっと思います。
特性
花はそれこそ画像だけ見ると大きさは伝わらず、シロツメクサがちょっと黄色がかってる感じ?
っと思われるかと思いますが、このクローバーは葉が細かい線毛に覆われています。
それと葉がちょっと硬いです。
折って折り目が付かないですが、カサカサしている、というのか他のクローバーにはない触感です。
見つけたきっかけ
このクローバーはイギリスなどでは切り花として販売されているようで、数年前にネット検索していた際にこのクローバーが男の人と一緒に写っていてその大きさにビックリしたっというのがきっかけです。
実際に切り花のように茎がしっかりして、花が大きいのか?!合成写真じゃないのかな?実物を見てみたいなぁ~
っと半信半疑でしたね。
その後、海外の種サイトを見ていたら販売してもらえるのがわかり送ってもらったところ、
このような絵袋で送られてきました。
久々に見たキリル文字・・・旧ユーゴや旧ソ連諸国で使われている文字です。
わかってはいましたが、読めません。
まったく意味がわかりませんが、なんか笑えました。
ちなみに供給元の国ですが、分布地域のアイルランドでもイギリスでもなくウクライナです。
まったく意味がわからないので、発芽方法から耐暑性や耐寒性などはネットの情報を元に苗を作り、毎度の露地スパルタ管理や試験地植えをしてもらい生育の状況を2年くらい見てました。
花が大きくならない
最後に花が大きくならない場合ですが、考えられる要因として2点あります。
原因
- 株がまだ未熟
- 日光不足
この2点かなっと思います。
種まき1年目でも開花する場合がありますが、シロツメクサとほぼほぼ同じ大きさの花です。
巨大サイズになるのは2年目以降の株です。
2の日光不足ですが、草原地帯に自生しているせいか日当りを好みます。
1日5時間は直射日光が当たる場所が望ましいです。
これらも念頭を置かれると良いかなっと思います。
というわけで今日はトリフォリウム・オクロレウコンでした~
ではでは~(^^)v