(元)バックパッカーな園芸家・伊藤章太郎が植物のことを中心に綴ってます。

ショウタロウブログ

アリウム サマードラマー。 ギガンチウムっぽいですが花茎が長く1.5mにも!

2019年11月9日

どもども~(^^)v

花茎が1m以上(場合によっては2mにも)になると言われているアリウム 'サマードラマー' (Allium 'Summer Drummer')についてになります。

花の画像だけ見ると同じアリウムのギガンチウムと何が違うのかっと疑問を持たれる人も多いかと思いますが、

実物を見るとほぼ100%の人が

 

通りがかりの人

うん、確かに違うわ。

 

っとなります。

 

見た目もですが生育過程も他のアリウムと違う点がいくつかあるので、それらを含めた育て方をまとめました。

画像とデータ

  • 学名:Allium 'Summer Drummer'
  • 別名:
  • 分類:ユリ
  • 原産:
  • 形態:耐寒性多年草
  • 耐寒性:USDA 4(-28℃前後)
  • 花期:初夏

2006年に発表された観賞用としてオランダで品種改良されたアリウムです。

初夏咲きですが、太平洋側の暖地と呼ばれる地域では早いと5月中旬頃から咲き始めることもあります。

 

花色は紫色ですが、ギガンチウムのようなはっきりとした紫色ではないです。ぼやっとしてます。

草丈は1.2~2mを目安にしてください。

育て方

芽吹きからが早い

植えて一カ月ほどの10月

植え付け時期は他のアリウムと同じで秋ですが、サマードラマー芽吹きは早く植えてから数週間で地中から上の画像のように芽が現れ伸びます。

例えば同じアリウムのニンニクも植えてから割りと早めに芽が出ますが、ニンニクは「芽挿し球根」がちょっと伸びた程度で年内は収まります。

 

ちなみにアリウム=ネギ属なのでニンニク(アリウム・サティブム=Allium sativum)と同じ時期に芽吹くのは当たり前ですが、

同じネギ属でもシクラム(A.siculam)やギガンチウム(A.giganteum)の芽吹きは翌早春になります。

この辺がちょっと異なります。

 

しかもサマードラマーは芽吹きして一カ月経過した11月の時点で

観葉植物みたいな姿。

ここまで育ちます。

このポットは6号サイズなのでけっこう大きいです。

10℃を下回り霜も降り氷点下になる1月なっても勢いは止まらず、

サマードラマーの1月の状態

葉の数が増え1月ですがこのサイズです。

冬にはあまり露地の物は植え替えしないですが、寒さに強いし問題ないだろうと思い1月に植え替えしました。

そして2月下旬ですが、

どんどん育ちます。

もう勢いは止まりません。

ちょうどこの株の後ろにあるのはペニセタム・オリエンターレですがしっかり枯れているんので冬というのはわかるかと思います。

そしてさらに二か月後の4月の下旬に、

4月の下旬です。

花茎が上がってきます。

花茎が上がる時期やその他生育の仕方は、まさにニンニクのそれです。

つぼみの部分。

つぼみっぽいのが出来てから開花までがけっこう長いです。

体感的には数か月くらい時間が過ぎているような気になるほど長かった気がしますが、実際は一カ月程度を要します。

逆光でしかもほぼ咲き終わり・・・。

花色がはっきりしない、と書きましたがいつ咲くのか、いつ咲くのかっと思っているといつの間にかこのように咲き終わっています。

 

この株一緒に写っている宿根フロックスがけっこう咲いているので、この画像は7月ごろの様子です。

暖地ではたいていのサマードラマーはこの時期には咲き終わっています。

それでも花が終わった後もそのままにして枯れた感じが良いので、そのままにしていても良いかなっと個人的に思っています。

 

ちなみに見ごろの時期ですが、花の部分が被っている皮が自然と取れ、全体的にぼやっとしていた紫色が少しだけはっきりしてきた頃かなと勝手に思っています。

つまり「なんとなく色付いた」頃が見ごろの時期です。

また画像の6号ロングポットサイズではだいたい1mほどの高さで収まります。

そのため鉢植え(大きめ)でも十分に存在感は出ます。

耐寒性

霜焼けではないです。

海外の球根サイトを見てると-35℃まで下がる地域へも発送しているので、耐寒性に関しては日本国内で困る地域はほとんどないのではないかと思うほど優れているかと思います。

寒さについてもう一点。

サマードラマーだけではないですが、

ココに注意

アリウム全種はある一定の寒さを経験しないと翌春の花の上がりが悪いです。最悪の場合は花芽が上がりません。

つまり暖冬の場合は花の上がりなど調子が悪い可能性があります。

天気ばかりはなんとも言えないのでしょうがないですが。

植え付け

ニンニクよりもユリの球根っぽい形。

球根を植えるときの深さですが、クロッカスなど浅めの植えて良いものなどを除き、

 

ココがポイント

球根3つ分の深さの位置に植える

 

が基本です。

 

というのも浅い位置に植えると、本来なら土で支えられるはずの花芽を支えられず倒れる場合が多いからです。

たまに横に倒れたまま花だけ太陽の光に向かって咲いているチューリップを見かけますが、別の理由もあるかもしれませんが球根が植えられた位置が浅い場合がほとんどです。

 

チューリップと比較できないほどの高さが出るアリウム サマードラマーですが、ジャンボニンニク並みの大きさの球根を想像していましたが地上部分が巨大かする割に案外球根は小さいです。6cmほどの大きさの球根でも開花します。

植える位置の深さですが、3倍なのでだいたい20cmほどの穴を掘って植えてください。

 

「草丈が出るから」ということで「3倍ルール」を無視し30cmほどの深さの位置に植えたころがありますが、しっかり咲きました。

なので、植える深さは「浅くなければ深さに関してはだいたいでOk」です。

 

余談ですが巨大なフリチラリアのインペリアリスは深さ1mの位置からでも花芽があがってきますからね。

植えっぱなしで良いの?

太いです。

個人的な見解ですが、植えっぱなしでも夏越して茎は出てくると思います。

ですが「植え付けの項目」で載せた画像は1球しか植えていない球根から分球した球根達です。

そのためたとえ植えっぱなしで翌年も育ち開花まで行けたとしても、3年目あたりから花が咲かない・小さい・草丈が短い等の「球根あるある」的な、地中で分球しすぎて球根が痩せるという現象が起る可能性があります。

なので開花後に掘り上げてちゃんと分球した方が良いのではないかなっと思います。

 

掘り上げた後は直射日光が当たらず雨など水がかからない場所に使ってないバケツや鉢に入れて放置でOkです。

というわけで今日はアリウム ’サマードラマー’でした~

ではでは~(^^)v

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