(元)バックパッカーな園芸家・伊藤章太郎が植物のことを中心に綴ってます。

ショウタロウブログ

サルビア・メキシカナ(ライムライト)とサルビア・ガラニチカを比べてみた。育て方も。

2016年11月3日

どもども~(^^)v

今日はサルビアのガラニチカとメキシカナを比べてみました。

画像とデータ

ガラニチカ

  • 学名:Salvia guaranitica
  • 別名:ハチドリ・セージ
  • 分類:シソ
  • 原産:南アメリカ(ブラジル、ウルグアイ、パラグアイ、アルゼンチン)
  • 形態:耐寒性多年草
  • 耐寒性:USDA 8a(-12℃前後
  • 花期:晩春

濃い紫色にも見える青花で根強い人気のあるサルビアですね。草丈は1.5m、株張りは年数にもよりますが50cmほどにはなります。

マメ知識ですが、このサルビアは流通されるときに「メドーセージ」と呼ばれることがありますが、実は「メドーセージ」を指すサルビアはこのガラニチカではありません

本物の「メドーセージ」はサルビア・プラテンシス=Salvia pratensisと呼ばれるサルビアで、どちらかというと見た目が'カラドンナ'などのネモローサ系に近いサルビアになります。

サルビア・プラテンシスの画像はこちら→ サルビア・プラテンシス

ちなみにメドーセージの「メドー」は「meadow=牧草地」という意味です。プラテンシスは草原とかそういうところに元々そういうところでいたんでしょうかね。

メキシカナ

続いてメキシカナ。画像とデータは'ライムライト'という品種です。

上の2枚ともアルムさんのお宅にて

  • 学名:Salvia mexicana 'Limelight'
  • 別名:メキシカンセージ
  • 分類:シソ
  • 原産:メキシコ中部
  • 形態:耐寒性多年草
  • 耐寒性:USDA 9a(-7℃前後
  • 花期:

ガクが名前の通りライム色で開花前にライム色のガクが現れるのでそれ自体も画になります。

草丈は1.3m、株張りは60cmほどを目安に。

サルビア・メキシカナは熱帯地域の標高2500m地点でも自生していると言われています。

熱帯地域に自生しているのにも関わらず耐寒性が-7℃とそこそこあるのは高山地域にも進出しているからです。

 

経験則からですが、秋咲きということでメキシカナは日長が短くなると開花する「短日植物です」

 

一度9月に邪魔になったので半分くらいのボリュームになるように切ったことがありますが、一ヵ月後に30cmくらいの草丈しかない株でも花芽が上がり開花したことがあります。

でも確実に開花が遅れるのであまり9月ごろには切らない方が良いデス(^^;)

葉を比べてみた

比べる、というと外観ですよね、ということで葉から。

ガラニチカの葉

メキシカナの葉

葉脈とか葉の形状などなど、よ~く見ると違うような感じはしますが・・・・「個体差ちゃうの?」と言われれば「そうですよねー」と言わざる負えない程度の違い・・・・orz 

葉では決定的な違いは見つけられず。

花を比べてみた

サルビア・ガラニチカの花

メキシカナ'ライムライト'の花

たいがい似たような性質で見た目もそっくりな植物は花を見れば違いが出てくる、というの園芸業界の通説ですが、花を見比べても・・・ぶっちゃけほぼ同じ形にしか見えません。

葉と同様に「個体差ちゃうの?」と言われかねません・・・。

僕がなんで比べようかと思ったのも花の見た目がほぼ同じなのになんで種小名が違うのかな、と長年思っていたからで・・・・これがきっかけで詳しくまとめてみようかなと。

 

ガラニチカの方が花が大きく5cmほどあります。メキシカナは2cmほどです。

 

花の大きさの違いで違うモノ扱いになるのかな・・・と疑問が。上のデータで原産地域と耐寒性と花期を赤字で記しましたが、花の大きさが違うので「違う種類のサルビア扱いでOK!」とはなりますが・・・

なんか説得力が欠けるなぁ~とマジマジと見比べてみると、ありました。

丸で囲ってあるように、ガラニチカは茎の片方に花芽を付けないのに対して、メキシカナは茎の両側に花芽を付けます。

たぶん陽が射すほうにというか少しでも陽射しが強い方にガラニチカは基本的に花を咲かせるんだと思います。

たまに茎の両側に咲かせるのもありますが。でもほとんど茎の片方に花を付ける傾向にあるように思います。

品種はおそらく'ブラック&ブルー'

良いカメラで撮ってもらった綺麗な画像がありましたので、こちらだとよりわかりやすいかも。揃って同じ方向に向いてますね。

A Book Of Salviasにも性質が似ていると

サルビアに特化した本、というかサルビアのことしか書いてないこちらの「サルビア界のバイブル」的な、

A Book of Salvias: Sages for Every Garden

そんなサルビア界のバイブル・「A Book Of Salvias」のガラニチカの項目に

「ガラニチカの性質は多くのメキシコ原産のサルビアと共通していることがあります」

書いてあります。あーこの著者の方も同じことを思ってたんかー良かったーと。

あと、ガラニチカの方が園芸品種が多いような印象もあります。あまり国内では出回ってないですが。

ガラニチカの園芸種のサルビア・ガラニチカ'ブルーエンザイン'。

花が水色のブルーエンザイン。まだまだ知らない「ガラニチカ」があります。もちろんメキシカナも。

暖地では問題なく両品種とも植えっぱなしでOKなので、むっちゃ他力本願ですが両品種ともイロイロな種類が見られると嬉しいですね(^^)個人的にサルビアは大好きなので(笑)

 

というわけで、今日は見た目が似ているサルビア・ガラニチカとメキシカナを比べてみました~

ではでは~(^^)v

  • B!