(元)バックパッカーな園芸家・伊藤章太郎が植物のことを中心に綴ってます。

ショウタロウブログ

実物は緑がかっています。

ペラルゴニウム・クインクエロバツム パールグレイやパールグレーという名称で流通している原種です。育て方など詳しくまとめました。

2016年6月27日

どもども~(^^)v

パールグレーと呼ばれている、花がなんとも言えないほど上品な原種のペラルゴニウム・クインクエロバツム(Pelargonium quinquelobatum)についての育て方や耐寒性についてまとめました。

画像とデータ

現物はもう少し緑色がかっています。

  • 学名:Pelargonium quinquelobatum
  • 別名:パールグレー(流通名)
  • 分類:フウロソウ
  • 原産:東アフリカ(主にソマリア)
  • 形態:耐寒性多年草
  • 耐寒性:USDA9b(-3.9℃)
  • 花期:株が充実し気温が20℃以上ある時期

実物の花はもう少し緑がかってキレイなんですよ。

それと、このペラルゴニウムについていろいろと情報を漁りましたらビックリすることが2点ありました。

情報元について

この記事は僕の栽培経験とどこかの国のNGO団体 Jstor という組織のサイトを参考にしました。

一応由緒ある植物専門の学術書や論文などをデータ化して公開している組織みたいです。

とりあえずこの団体についての記述は流し読みしかしていないのでこの団体の存在やデータの信憑性だったりはともかくとして、

それともう一つどこの国の人かわかりませんが(デンマークの国旗がサイトにあるのでデンマーク?)・・・

コーデックス系植物オタクであろう(勝手に決めつけてますが)Bihrmannという人のサイトを参考にしました。

気温の低い時期はこのような状態です。コーデックスが好きな人は好きな見た目ではないでしょうか。

独断と偏見ですが、どこの国でも

オタク収集家の意見はけっこう信憑性がある

と僕は思ってます。

ホントどの業界でも「オタ」の情報量はハンパないですからね。

それと僕の持っているゼラニウム本にはこのペラルゴニウムは載っていなかったのでこの2つのサイトの情報に主として頼りました。

育て方

花がいったん咲き終わるとこのような見た目になります。だいたい6月ごろです。問題ありません。秋ごろに青い葉が芽吹きます。

原産地について

原産地がJestorのサイトによると1847年に発見とされています。その後英国にあるあの世界遺産であるキュー植物園に献上されています。

それほど新しい植物ではありません。

しかも原産地がソマリアという。

ペラルゴニウムって南アフリカ以外にも生息しているんだと知ってビックリしました

しかもソマリアの隣国のエリトリアやエチオピア、対岸国のイエメンにも分布しているようです。

エリトリアというと僕の印象だと地球上でもっとも暑い地域のトップ10には入ってくるんじゃないか、という印象がありまして・・・真夏は50℃付近連発の地域だったはず・・・。

それと国土の大部分が富士山くらいの標高のエチオピア・・・僕もエチオピアに訪れたことがありますがけっこう寒いです。

おそらくソマリアに隣接している付近を指しているんだとは思いますが、それでもアフリカ大陸の中で葉涼しい地域だと推測されます。

水やり

このペラルゴニウムを夏前から真夏にかけて枯らす人が意外と多い印象があります。

というのもこの辺りの地域は降雨量が決して多くはない地域で、

注意ポイント

このペラルゴニムを真夏に水のやりすぎであったり多湿の状態を作ってしまったりで枯らす人が多い、というのは元々分布している環境が原因だと思います。

そのため日本の7月~9月の間は水やりを極力控えて、土も軽石やゼオライトなど透水性の高いモノを入れた土に植えておく、ということを行った方が良いです。

ゼオライトはこのようなものです→ 天然ゼオライト

他ごとをやりながらこの情報を流し読みしてたんですが、二度見をする項目がいくつかありビックリでした。

耐寒性

この情報は・・・ちょっと当てにならないような気がしてならないんですが・・・でもJstorによると

生息地域の標高:1400m~1580m

とあります。

でもこう見ると-12℃はともかく、-6℃くらいの寒さならイケるかな、と。

僕は過去寒さにさらして枯らすのが怖く温室に引っ込めたので実際の耐寒実験はこの植物に関してはしてないのですが、

今年はやってみる価値があるかな~具体的な数字が2つも出てきたので。

追記!

※耐寒性について追記(重要!)

耐寒性ですが、露地にて11月から3月末まで5ポット放置しましたが残念ですがすべて芽吹きしませんでした。

0℃を下回った辺りまでは生きていましたが、雪が何回か降り土が濡れていた時間が長かったからでしょうか、

多肉植物が溶け死ぬような状態になりそのままご臨終しました。

ただし、露地ではなく寒風・霜・雪避けできるところでは-2.2℃まで下がった場所でも問題なかったので、

やはりこのペラルゴニムは土に水分がそのまま残っていると時期に関係なく死ぬリスクが高くなるのでご注意くださいね。

タネのようですがユニークなのもこのペラルゴニムの特徴です。

一つ一つ分解すると↓こうなります。

羽があるんですよね~。黄花のエロンガツム(elongatum)とかこの手の原種の小花のペラルゴのタネはみんなこんな感じで羽があってよく飛ぶので、

時期になるとウチの温室のそっこら中からそれらしいのが芽吹きます。

種播きについて

水に一晩付けるとよいです。

ペラルゴニウムというと出荷から逆算すると秋播きが良いかな、と思ったので9月の上旬に播きました。海外サイトをイロイロみても発芽適温が具体的に書いてあるところがなかったためで、

でも10月の下旬で

播種一ヵ月後でもまだこれくらいしか発芽しませんでした・・・。

この程度しか発芽せず・・・・原種特有の発芽するタイミングがバラバラ・・・・

というか、この後12月まで続々と少しづつ発芽しましてね・・・・

しかも発芽適温がわからなかったので一定の温度をキープできるような場所ではなく、ただ雨風を防げるためだけの温室に入れてあっただけでしたが。

ちなみに最低温度が0℃近い12月でも発芽してました。

通常硬いタネは腐りにくく発芽が遅いという定説がありますが、約半年に渡り発芽し続けるというのは原種ならではの強さ、というのでしょうか。

最後に

国内のサイトのいろんなところでPelargonium 'Pearl Grey'とかって「さも本当っぽく」書いてありますが、

あくまでパールグレーは流通名や園芸名としての名前であり、正式な名称ではありません

一度情報を整理したいなっと思って綴ってみました。

ではでは~(^^)v

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