どもども~(^^)v
垂れ下がったように咲く白い花が特徴的なシレネ・ヌタンス(Silene nutans)の育て方についてです。
欧州に広く分布しているということで高温多湿の環境が苦手ですが、決して夏越ししない訳ではありません。
オーロラが見られる地域にも分布しているため寒さには強いです。
画像とデータ
- 学名:Silene nutans
- 別名:ヨルザキマンテマ
- 分類:ナデシコ科
- 原産:欧州
- 形態:耐寒性多年草
- 耐寒性:USDA 3(-34℃前後)
- 花期:春
英名はノッティンガム・キャッチフライ(Nottingham Catchfly)。
シレネを総じてキャッチフライ(ムシトリナデシコ)と呼ばれる印象がありますが、なぜノッティンガムなのかは不明です。
和名でヨルザキマンテマとありますが、決して夜に開花するわけではありません。昼間でも咲いています。
また、学名のヌタンスは垂れ下がるという意味です。
ヌタンスと名付けられている植物はサルビア・ヌタンスなど確かに花が下向きに垂れ下がっています。
草丈は60cmほど、株張りは30cmを目安にしてください。
育て方
欧州原産の多くの植物と同じように基本的に「高温多湿」で「水はけが悪い」環境は苦手です。
ここで言う「高温多湿」は気温35℃で湿度80%という太平洋側の関東以西の暖地の夏のような気候を指します。
そのため他の植物と密に植えしたり空気が滞留し蒸れやすい状態になると、たとえ秋に植えしっかり根が張らせ春にキレイに開花しても夏越ししません。
日差しは1日4時間ほど直射日光が当たる場所で十分育ち開花します。
当圃場で養生している場所は朝日が数時間と西日が数時間あたるという環境でしたが問題なく生育しました。
英国ではロックガーデンというのか、石組みや擁壁の隙間にこのシレネを埋め込んだりしているようで、
「1年で110日ほどしか快晴の日がない」
言われる英国の気候下で石組みの隙間と言う限られた日照しか得られない環境でも開花しているため、反射光や1日中半日陰の環境でも育ち開花するのではないかと思っています。
また手入れ的なことはほとんどすることがないかと思います。
強いて言うと花茎が伸びるので、咲き終わると茶色くなり目立つので切り取った方が良いかなと思います。
害虫はアブラムシが意外としつこく付きます。
耐暑性
欧州原産のモノは夏越しが難しい、と書きながらもそれなりに気を付けると夏越しします。
それなりに、というのは
ポイント
- 株間を取り密植え、混植えにならないようにする
- 水はけの良い土や場所に植える
とこの2点になります。
これらに「真夏の直射日光に長時間さらされない場所」というのが入っても良いかなと。
売れ残りの10ポットを養生していたほぼ屋外(寒冷紗1枚で遮光してある屋外)に戻し様子を見てましたが、
9月に入った時点で新しく芽吹いた株は7株で3株は枯れてます。
夏の間はこれら10ポットに他の植物と同じように毎日水やりをしていましたが、その枯れた3株は雨が降るとずぶ濡れになる位置にあったのでこれが原因かなっと思います。
水はけが良い環境の方がこのシレネは夏越ししやすいと思った理由がこれです。
ちなみに発芽しそこそこ育った株を1ケース分(24ポット)を同じ場所に置いて養生したことがありますが、その時は1ポットだけ夏越しできなかっただけでした。
発芽し生育段階の苗だったので開花してないため、枯れたのは1ポットだけで済んだのかなと。
よく「花が枯れ種ができると株が弱る」と言われますが、花が咲かず種が生成されない若い株はこのシレネに限らず相対的に枯れにくいですよね。
こぼれ種
しかしながら夏越しできず枯れたポットの中からこのシレネと思われる小さな芽がたくさん出てきているので、こぼれ種で増えやすいのかなっと。
夏越しできずに枯れた場合でもしばらくの間植えてあった付近をいじらずに、そのままにしておくと発芽してくるかもしれません。
耐寒性
寒さですが何も心配しなくて良いのでは?という印象です。
分布地域の北限がフィンランドのエノンテキエ(Enontekiö)と言われています。
エノンテキエの位置を見てもらえるとわかりますが、フィンランドの北部です。
位置を見るだけで「あ、寒いだろうな」っとわかる土地です。
エノンテキエは冬は雪で覆われオーロラが見られるようなので、シレネ・ヌタンスにとっては日本国内での寒さ程度はまったく意に介さないのではと思います。
冬が終わり気温が上がってくるとこのように新しい葉が展開してきます。
冬季は葉が赤くなりながらもほとんど地上部分は残っていましたが、地域によってはさらに葉を少なくしロゼットを組んだような状態で越冬することもあるかもしれません。
というわけで今日はシレネ・ヌタンスでした~
ではでは~(^^)v