(元)バックパッカーな園芸家・伊藤章太郎が植物のことを中心に綴ってます。

ショウタロウブログ

なかなか鮮やかな青花。

ファセリア トロピカル・サーフ(Phacelia viscida 'Tropical Surf')の育て方。水やりは控えめで。

2021年1月18日

どもども~(^^)v

マリンブルーというのか鮮やかな青い花びらで中心が白い花のファセリア 'トロピカル・サーフ'(Phacelia viscida 'Tropical Surf')の育て方になります。

気を付けることは他のファセリアと同じように、日当りがよく乾きやすい環境で水やりを少なくすることです。

水やりの頻度が多かったり、保水力のある土に植えると上手に育たず腐って枯れることがよくあるので注意してください。

画像とデータ

上向きなります。

  • 学名:Phacelia viscida 'Tropical Surf'
  • 別名:
  • 分類:ムラサキ
  • 原産:アメリカ西海岸
  • 形態:耐寒性一年草
  • 耐寒性:USDA8a (-3℃前後)
  • 花期:春

英名ではsticky phacelia などと言われていて、訳すと「ベタベタするファセリア」や「くっつくファセリア」などとなります。

種小名のviscidaも英名のように「粘着性のある」や「ぬめぬめする」という意味のラテン語になります。

ですが名前ほどそれほどヌメヌメする印象がありません。というかヌメヌメしません。

名付けの理由をちょっと知りたくなります。

全景はこのような感じです。

分布地域で自生している環境は、このような周りに何もなく乾燥しやすい岩場や砂っぽい所が多いのかなっと想像します。

ちなみに分布地域はアメリカの西海岸・ロサンゼルス周辺で海からそれほど離れていない場所に分布しています。

検索したら分布地域のわかりやすいサイトを見つけました → calscape.orgへ。

草丈は約70cm、葉張りは30cmを目安にしてください。

このサイト内には他の種類のファセリアについてもまとめてあります。

ファセリアについての育て方や種類や各種類の花の画像。

育て方

開花しそうなつぼみ。

「ロサンゼルス周辺やカリフォルニア州に自生している」というとなんとなく日光がギラギラ降り注いで湿度がなくカラッカラっという映像を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

その通りにこのファセリアは日当たりが良く乾燥した環境を好みます。

日当たりが悪いとヒョロヒョロに徒長します。

よく分枝し1ポットでもしっかり肥料を与えるとけっこうな数の花茎が上がります。

徒長せずしっかり風に当たる場所ですと、グラつきがなく締まった株に育ちます。

他のファセリアとちょっと違う点は若干このファセリアは寒さに強いかなっというくらいで、

このファセリアも育てる際は他のファセリアと同じように以下の4つの点に気をつけてください。

注意ポイント

  1. 保水力のある土に植えない
  2. 水をやりすぎない
  3. 開花している苗を植えない
  4. つぼみができると肥料を欲しがる

それでは4点をそれぞれ解説していきます。

保水力のある土に植えない

全ファセリアに共通しているかと思います。

水はけが良く乾きやすい土を好みます

いろんな植物が植えてありこのファセリアのためにピンポイントで水はけを良くすることができないっという場合は、風の通りが少しでも良い場所を選んでください。

水をやりすぎない

水が多いと葉の縁が茶色くなります。

「保水力のある土に植えない」と共通している内容です。

水やりの回数なりが多いなど水分が多くもらえる環境ですとお腹がいっぱいになるのか、葉の縁が茶色く焼けた感じになります

この他のファセリアと比べると1枚1枚の葉が大きく、縁が茶色くなるのは一部ではなく全体の葉に現れるので、水やりが多いのが原因で現れる葉の異常はけっこう目立ちます

このような状態の葉は元には戻りません。

株をこれ以上ひどい状態になる前に土中の水分を無くすため一度しっかり乾燥させてください。

しっかり乾燥させた後に新しい葉や茎を出すように半分くらいの位置で切り戻すと良いです。

根腐れすると葉が萎れます。

それでも「水分が多い状態」が続くとこのように葉がしおれます。こうなるとほぼほぼ復活は期待できません。

枯れるのを待つのみです。

他のファセリアもそうですが、葉でも茎でも折って断面を見ると多肉植物のように水々しいです。

かなり貯水力はあるので気温が低く肌寒い時期はそれほど水やりしなくて良いです。

開花している苗を植えない

4つめの「肥料を欲しがる」というのと関連していますが、

ファセリアに限らずセリンセなど多くのムラサキ科の一年草は開花すると花を咲かせることに全力を注ぐからなのか、分枝も草丈が伸び大きく育つことがあまりありません。

たぶん開花した苗は根もほとんど伸びないと思います。草丈がほとんど伸びないのはこういったことも原因だと思います。

根がほとんど伸びない、ということは新たに栄養分を調達しずらいとも考えられるので、

品種改良されたビオラなどの一年草のようにいわゆる「次々と花が咲く」のはほぼ望めないです。

そのため春に我が家のあの花とこの青色を合わせたい〜

っと考えている人は開花していないポット苗を植えしっかり根を張らせるようにするのをおすすめします。

つぼみができると肥料を欲しがる

他のファセリアのようにでき始めのつぼみは丸まる。

3つめで「花を咲かせるのに全力する」かどうかはわかりませんが、つぼみができ始めたぐらいの頃から油断しているといきなり葉の色が薄くなることがあります。

昨日まで青々としてたのに一晩でいきなり黄色い葉が増えた!

鉢植えでムラサキ科の植物を育てたことがある人は、このような経験されたことがあるのではないでしょうか?

ファセリアの場合は葉が黄色以外にも赤みがかります。

低温にあたっても赤みがかりますが、低温での葉の色の変化は最高気温がだいたい10℃を下回る頃で人間でもしっかりと寒さを感じる時期です。

しっかり寒さを感じる時期にこのファセリアは開花することはほとんどないので、「ちょっと暖かくなってきたな」っと感じる頃でも葉の色や茎が不自然に赤い場合は液肥など追肥をしてください。

耐寒性

霜と雪には注意

葉が赤くなります。

葉色の変化について直前で解説しましたが、ある程度の寒さに当たるとこのように赤みがかります。

葉を赤くするからか他種のファセリアと比べてるとそれなりに寒さに強いです。

ですが、

ポットなり鉢に水分が残った状態で土がガッチガッチに凍るとほぼ枯れます。それと雪と霜にも要注意。

気温的には -4℃ 〜 -6℃ でも霜に当たらず、根鉢が丸ごと凍らなかったら耐えられます。

ですが防寒せずの冬越しはけっこう難しいです。

ある年に20ポットを屋外で越冬できるかやってみましたが、暖冬にもかかわらず半分ほどは寒さで溶けました。

こぼれ種で発芽したトロピカルサーフ(赤い丸)。軽い雪と1度の-5℃は耐えました。

なので例えば秋にこぼれ種で発芽した苗を越冬させる場合は、鉢なりに植え霜と雪除けできる場所に避難させ、

最低気温が氷点下にならない時期になったら植えるという方法が良いかなと思います。

耐暑性

暑さに強いですが、基本的に春に開花した場合は一年草のため種が出来たら夏を迎える前にほとんど枯れます。

開花が遅れ7月ごろに咲いたり、こぼれ種で8月に咲いている株を見たことがありますが、たいていゲリラ豪雨など雨が降った数日後には枯れています。

暑さには強いものの分布地域は乾燥した地域だからなのか、高湿度にはかなり弱いです。

そのため「春ごろに咲く一年草」と割り切った方が良いと思います。

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というわけで今日はファセリア 'トロピカル・サーフ'でした~

ではでは~(^^)v

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