(元)バックパッカーな園芸家・伊藤章太郎が植物のことを中心に綴ってます。

ショウタロウブログ

ジャカランダ(Jacaranda mimosifolia)を見に名古屋の戸田川緑地へ。南半球のサクラと呼ばれる2つの理由について。

2017年6月25日

どもども~(^^)v

本日は愛知県名古屋市中川区にある戸田川緑地公園(通称:戸田川緑地)にジャカランダの開花を見に行った話です。

内容は一般的にジャカランダと呼ばれるものはジャカランダ・ミモシフォリア(Jacaranda mimosifolia)と呼ばれる種類になります。

画像とデータ

雄大で貫禄ありました。

  • 学名:Jacaranda mimosifolia
  • 別名:キリモドキ
  • 分類:ノウゼンカズラ
  • 原産:アルゼンチン
  • 形態:落葉樹
  • 耐寒性:USDA 9b(-3℃前後 ※ただしある程度に育った株)
  • 花期:春

おーおー!咲いてる咲いてる 。と思わず言ってしまった久々のジャカランダ。青というのか紫色というのか爽やかな花色でした。

ジャカランダがノーマルサイズになっていて開花しているのを見たのは16年ぶりでした。

僕は2002年にジンバブエの首都・ハラレや南部アフリカ諸国でジャカランダをたくさん見ました。

名古屋市内で開花しているジャカランダを見ることができたので語ってみようかと思います。

樹高はノーマルで7~8m、15mになることも。

戸田川緑地に行く方法などについてはこちらをご覧ください→ 戸田川緑地

戸田川緑地のジャカランダはだいたい例年ですと6月に入ってから開花しているようですが、開花状況などブログでお知らせしてくださいます。

南半球のサクラと呼ばれる理由

開花期

ビジュアルはまるでサクラではない。

ジャカランダは基本的に開花する時期は地域にもよりますが「春」に咲きます。

原産地のアルゼンチンや僕が旅行途中で見たジンバブエや南アフリカは南半球なので、春と言っても11月中順頃から咲き始めます。

南半球での11月ごろなので夏の前から開花するため、「南半球のサクラ」と呼ばれる1つ目の理由です。

花が先に咲く

ジンバブエで見たときはたくさん花が落ちていて路上が一面真っ青になっていました。

日本のサクラって、

つぼみが出来て花が咲き、散り始めるくらいの時期から葉が現われ、完全に開花が終了する頃には樹には新しい緑色の葉でいっぱいに、

というサイクルですよね。

このサイクル、南半球のジャカランダもまったく同じです。つぼみ→花→葉、というサイクルです。

これが同じなため「南半球のサクラ」と呼ばれるもう一つの理由になります。

ですが、

アレ・・・花と葉が一緒にある・・・

開花しながら葉がありますよね・・・・???

実は北半球で開花する多くの場合は、環境の違いのせいなのか蕾が作られている段階で葉も一緒に芽吹きます。

そのため開花しながら葉も生育していく、という本来の状態ではない状態で開花します。

実はこのジャカランダの現象、誰もまだ研究の対象にしていないためかあまりよくわかっていないようです。他の植物でもこのように環境に適合しながらも生育サイクルが本来とは違う状態になるものは実は多いようで、

判明しているモノは「この○○という現象が作用して~」などど科学的にちゃんと立証がされているモノもあります。

ですが、ジャカランダはまだよくわかってない、という話です。

国内では開花前に葉が現われるせいか、下の南アのプレトリアでの開花画像ですが

この画像はお世話になっている方よりお借りました。

花の数が圧倒的に違いますよね。

この画像を見ると、サクラと言われる理由もわかりますね。僕もジンバブエではこのような光景を見たのでジャカランダはこの印象が強いです。

という訳で「南半球のサクラ」と言われる2つの理由でした。

マメ科ではない

見た目がマジでマメ科なジャカランダの葉。でも暗くなっても寝ない(閉じない)。

ジャカランダを葉の形から「マメ科でしょ!」と思っている人は少なからずともいると思います。

しかも学名のジャカランダ・ミモシフォリアという意味がわかると余計にこんがらがってしまうんですよね~かく言う僕もジャカランダはマメ科と思ってましたし。

ミモシフォリア=mimosifolia についてですが、なんとなくこの言葉と葉の画像から意味が読み取れそうですが、そのままの意味です。

フォリアはラテン語で「葉」という意味で、

でもミモシはなんとなく

ミモシ・・・ミモシ・・・・ミモザ・・・・アカシア・・・・アカシア!!!!

そうなんです。ミモシ=アカシアで、ミモシフォリアは「アカシアのような葉」という意味です。

マメ科のアカシアのような葉とかって種小名が付いてたら、そりゃ勘違いしそうですね。

でも形状が似ていると言ってもジャカランダの葉は暗くなっても閉じないので、花が無い時期の見分け方の1つの方法として「暗くなって閉じるかどうか」というのがあります。

ちなみに戸田川緑地にはジャカランダの隣にネムノキが植えてあります。

こちらはネムノキの葉です。わからないですよね~ 笑

葉だけを昼間見比べると・・・どっちがどっちかよくわからないです。

でも戸田川緑地ではこのように

各木々に名札があります

植物園のようにちゃんと名札があります。

こちらはジャカランダです。

このように簡単に外れないようになってますので、花の無い時期に

「どっちがジャカランダ?どっちがネムノキ?」

と見分けが難しくてもすぐにわかります。

まぁジャカランダの葉の形はマメ科っぽい、と覚えておくと良いでしょう。

ジンバブエや南アで見たときはもうちょい大きかったような気が。

花を見るとマメ科ではないのはよくわかりますね。形がノウゼンカズラです。

やや思い出補正が入ってるかもしれませんが、どうも花が小さいように感じました。

上の画像は5cmほどですが、僕がジンバブエや南アで見た花はもう一回り大きいサイズだったような・・・それともうちょい色が濃かった気がします

南半球でジャカランダを見た方も同じことを言われていました。

上の方で書きましたが、環境の違いが色に反映されているのかな?と推察してます。

ジャカランダの花は少し白が入ってます。

遠目からでもジャカランダが開花しているのを見るとどこなく白っぽく見える時があります。その理由がこの上の画像です。白っぽくなってます。

ジャカランダの花に「白」のイメージはなかったので、これは戸田川緑地に行って開花株を見て初めてわかったことでした。

育て方

さて、一応このブログは園芸ブログなので

「園芸してます」

的な話に移りましょうか。

耐寒性

ジャカランダの耐寒性はだいたい-3℃くらいではないか、と言われています。この-3℃というのは-3℃程度の寒さの雪や霜も耐えうる、というものです。

国内では関東以南の太平洋側でも比較的に海に近い温暖な場所でしたら、地植えにしても育つのではないかと思います。実際に戸田川緑地も海に近い場所ですしね。

しかし、

株が若かったり幼い(小さい)ものは例外です

そのためお住いの場所が、「-3℃程度にならない!問題ないから植えてみるか!」という人でも一応は、

大事に大事に数年かけて大きくしある程度の体力をつけさせてから思い切って露地に出して・・・・

根が凍らないようにマルチングをしっかり行い、傘のようなものをして霜避けや雪除けをしながら・・・・

植えようと思っているすぐ脇に風よけが出来る壁のようなモノがある場所(戸田川緑地ですと温室のすぐ脇に植えてあります)

などの「耐寒性がそこそこ期待できる観葉植物を地植えして越冬できるか」のような感じの処置は行ってください。

耐暑性

暑さに関してはまったく問題ありません。むしろ気温が高いとグングン大きくなります。そのため、水切れには注意しましょう。

鉢植えでの管理では特に真夏はすぐに水が切れます。我が温室にもジャカランダがありますが、気温が30℃を越えると最低1日2回は水やりをしています。

落葉樹です

ジャカランダについてネット検索していると頻繁に「ジャカランダを育ててますが冬になる前にまた枯らした件・・・・」的なブログや確かヤフー知恵袋にも投稿がありましたが

冬に葉が落ちて枯れたように感じになりましたが、どうしたら良いですか

のような質問を見かけます。

答え:ジャカランダは落葉樹です。11月ごろから葉が黄色くなりどんどん葉が落ちます。最終的には棒が土にささってるような状態になります

です。

写真を撮ってあったはずなんですが見当たらないのでアレですが、ウチの温室にあるジャカランダも3月中ごろまで葉がまったくない状態になります。

気温が上がってくると成長点付近から小さな葉が出てきてその後徐々に幹から大きな葉が現われます。

「南半球のサクラ」という名前がある通りに落葉樹なので気温が低くなり葉が落ちるのは普通の現象です。ご安心を。

肥料

肥料についてですが基本的な扱いは他の落葉樹と同じ扱いでよいです。

ジャカランダは気温が高い時期にグングン成長するので、なんか葉色が薄いなぁ~とか思われましたらその都度株の大きさにあった化成肥料を置いておけばよいです。

というわけで今日はジャカランダ・ミモシフォリアでした~

ではでは~(^^)v

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