(元)バックパッカーな園芸家・伊藤章太郎が植物のことを中心に綴ってます。

ショウタロウブログ

花芽付きのヘデラ・ヘリックスが群生してます。

ヘデラ・ヘリックス (Hedera helix - セイヨウキヅタ) 育て方。 アイビーと呼ばれるものです。

2018年10月11日

どもども~(^^)v

園芸する人は必ず通っているであろう、通称「アイビー」と呼ばれるヘデラ・ヘリックス(Hedera helix)についての内容になります。

ガーデニング好きな方は寄せ植えなど和名のセイヨウキヅタという呼ばれるようにつる性なので動きをだす目的で、切り花を扱っている方は黒い果実がついたツルものとしてアレンジで使用したりしたことがある人は多いのではないかと思います。

ここでは自生している様子も用いて園芸種ではない原種であるヘデラ・ヘリックスについての特徴や育て方などをまとめました。

それとなかなか見る機会のないヘデラの「花」もあります

画像とデータ

花を見たことある人は少ないのでは?

  • 学名:Hedera helix
  • 別名:セイヨウキヅタ、イングリッシュ・アイビー
  • 分類:ウコギ
  • 原産:欧州、中東
  • 形態:耐寒性多年草
  • 耐寒性:USDA 4b(-28℃前後)
  • 花期:秋

園芸を始めたばかりの頃に誰だったか忘れましたが、

これはアイビーと言うの

と言われ「ヘデラ」という名前を覚えたてだったので

いや、 「アイビー = Ivy = つる」 だから違うでしょ

と反論(?)したらその人にブツブツ言われたという思い出があります。

さらに追い込みをかけるように「ヘデラの英名は English Ivy だよね?」とややひねくれた回答をしたことがあります。


草丈ですが目安になるかどうかわかりませんが1株で24m、株張りは15mになった株があったようです。

育て方

特徴

ヘデラ・ヘリックスは生育していく中で2つの芽を持っています。

ポイント

  1. 幼い芽
  2. 成熟した芽


と伸びていく芽にもいくつか役割があり違いがあります。

1の芽の特徴として、

・細根を出し精力旺盛に広がる、登る

・葉が厚い

・葉色が濃い緑色(新葉以外)

・花が咲かない

2の芽の特徴として、

・細根を出さず登ったり地面に根を張らない

・低木のように育つ(広がったり登ったりしない)

・花が咲く

という違いがあります。

花芽がある芽は登っても広がってもなくこのように低木のように育ってます。

あまり重要なことではないですが、このような特徴を知っておくと登っていたり広がっている箇所と花だけが群生している箇所がはっきりと分かれている理由が分かり面白いです。

下の画像ですが木に巻き付いて登っている部分には花がない理由がわかりますよね。

大きくなります

侵食されてます。

草丈が25mと書き「そんなまさか」と思われた方は決して少なくはないでしょうが、全体が収まってない画像を見てもらえれば納得されるのでは、と思います。画像に写っているだけで6mほどの高さです。環境が合うとこれくらいは難なく育ちます。

園芸店などで販売されている場合は3号か3.5号ポットがほとんどだと思います。

その状態からこのように木を侵食する状態になるまでは数年はかかりますが、いったん根付くとそこからの生育速度は早いです。気が付くと人の背丈ほどの高さになることもあります。

また細根を茎から出し構造物の壁や木になどをよじ登って行くので注意してください。

茎から出た細根が家の壁にへばりつくと最悪の場合は壁ごと取らないといけない事態になりかねません

「西洋キヅタ」という名前のように「キヅタ=木蔦」なので、葉で覆われ隠れていて見えませんが、上の木に絡みついているヘデラの幹はだいたい直径が5cmくらいあり「木質化」というか「木」になっています。

このように木質化した茎を切る場合は(木質化したヘデラは硬いです!)剪定ばさみを使って

剪定しましょ~♪

なんて余裕をかまさず、のこぎりを用いて「ぶった切る」というと言葉が悪いですが伐採する準備をした方が良いでしょう。

葉も大きく

寄せ植えなどで使うことが多いポット苗の状態では葉はせいぜい大きくても4~5cmほどの大きさしかないですが、

完成形に近いヘデラ・ヘリックスの葉です。

育ってくると葉の大きさは20cmほどになります。

こうなるとゴツい見た目のなるので

アイビーってかわいいよね~

なんて悠長なことは言えなくなります。

好む環境

新しい葉は明るい緑色です。

斑入りやその他の園芸品種を含めたヘデラ・ヘリックスが好む環境ですが、枯れはしませんが基本的に直射日光が長く当たる場所は嫌います

というか、

強い光が当たらない場所の方が葉の色に艶があり見た目が健康そうな色をしています。


逆に不健康な場合の見た目は、焼けた感じに葉の一部が茶色くなっていたり薄い抜けた緑色をしています。


ポット苗のまま1年くらい水やりだけしてあとは放置しても、直射日光が当たらない場所でしたらヘデラの葉色は健康そうな緑色をしています。

斑入り種でも葉色が買った時よりも薄くなった場合は肥料切れというよりも日光が当たりすぎではないか、と疑った方が良いです。

全部当てはまるわけではないですが、葉に光沢がある植物は半日陰から日陰という暗い場所を好むものが多いです。ヘデラの葉も光沢がありますよね。

葉に光沢がある主な植物はこちら→

増や方

つぼみの状態。

っとここまで書くと増やそう・・・・なんてことを思う人は少ないかもですが挿し木で簡単に増やせます。

季節によっては花瓶に入れておくだけで発根しますので、発根したら土に埋めれば勝手に増えます。

その他

つぼみ(一部咲いてる)。

暑さと切り戻しについて

日本に比べ冷涼な夏の欧州が原産です。そのため高温多湿の状態は好みません。

ですが日本国内のほとんどの場所で育ちます。


愛情を持って育てている株をお持ちの場合は、切り戻しや植え替えする時期は7月~9月は避けたほうが無難です。

絶対にダメってわけではないですが「何か起こるリスク」は高い時期です。

葉の一部が黒くなる原因

よく見かけるヘデラの葉の一部分に何か粉が乗って黒くなる症状ですが、「すす病」の場合がほとんどです。

室内に置いてある観葉植物が葉水をもらえる長い間乾燥した状態続くと葉が黒くなる、アレです。パキラやカポック、ツピタンサスによく出る印象があります。


すす病はアブラムシやカイガラムシなどの害虫が原因で起こる場合と、カビ(細菌)が原因の場合の2つがあります。



黒い箇所があまり広がってなく害虫がいた場合はアルコール入りのウェットティッシュで黒色が取れるまで吹き、害虫を手で殺処分すればOKです。

とてもウェットティッシュでふき取れないくらい広がっていたり害虫もたくさんいて己の手で殺りたくない場合は、カイガラムシにもアブラムシにも効果のあるアクテリック乳剤を散布して害虫を一網打尽し数日後に水で洗い流せばたいていの場合は治まります。

害虫が見当たらない場合はカビ(細菌)が原因の可能性があるのでトップジンMゾルなどの殺菌剤で対処すると良いかと思います。

 

この記事内の画像のほとんどはオランダ・アムステルダムにて撮りました。

というわけで今日はヘデラ・ヘリックスでした~

ではでは~(^^)v

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