(元)バックパッカーな園芸家・伊藤章太郎が植物のことを中心に綴ってます。

ショウタロウブログ

エリムス マゲラニクス(マジェラニカス) やや幅広で青白い葉のグラスです。高温多湿も問題ありません。「ブルーグラス」の代表格。

2019年6月5日

どもども~(^^)v

エリムス・マゲラニクスやマジェラニカスと呼ばれる青白い葉のグラス、についてです。

ブルー系のグラスはちらほらありますが、「もっとも青いグラス」と呼ぶ人もいるくらいちゃんとした青い葉です。

イネ科だからという訳ではないですが、寒さにも高温にも多湿にも乾きにも強いので簡単に育ちます。

画像とデータ

太平洋側の暖地では4月上旬ですでにこれくらいの姿になります。

  • 学名:Elymus magellanicus
  • 別名:青い小麦
  • 分類:イネ
  • 原産:パタゴニア地方(チリ・アルゼンチン)
  • 形態:耐寒性多年草
  • 耐寒性:USDA 5(-20℃前後)
  • 花期:初夏

ブルー系の葉のグラスというとフェスツカが一番市民権を得てるような気がしますが、このエリムスもおすすめです。

幅広の葉

細葉で放射状に形が整いやすいフェスツカと比べると、エリムスはやや幅広の葉で不規則で動きのある容姿になります。

 

なお呼び名ですが、マゲラニクスなのかマジェラニカスについて、

マゲラニクスラテン語読みマジェラニカス英語読み

という違いです。

英国のガーデンでけっこう使われているせいか「マジェラニカス」という呼び名で書かれている人もいます。

 

草丈は穂が伸びて90cm、株張りは60cmを目安にしてください。

日当りは1日4時間ほど日光が当たる場所でしたら問題ないです。

育て方

耐寒性と耐暑性について

耐寒性と耐暑性については、国内のほとんどの地域では気にしなくてよいかと思います。

 

各地で観測史上最高温度を連発した2018年の酷暑を地植えでも鉢植えでも問題なく超えています

耐寒性については把握している最低温度は-8℃でポットのまま越冬できているため、そこそこ寒さに強いです。

南極に近いパタゴニア地方原産なので相当寒さには強いと思って良いかと思います。

 

どちらの季節にもよほどのことを「やらかさない」限りは問題なく育つのではないでしょうかっと思います。

性質

苗の状態

この苗の状態からトップの画像のような姿になるのがなかなか想像できないかもしれませんが、

 

秋植えするとだいたい翌春には倍くらいの大きさに育ちます(暖地基準で。寒冷地はそうでもないかも)。

 

意外に大きくなるのが早いです。

 

また、イネ科の割に「肥えた土壌を好む傾向があります」

肥料不足で葉の色が薄くなったりはしませんが、確実に株が痩せます

植え替えや肥料が切れていても物凄くボリュームが減るイネ科って思いつきませんが、このエリムスは痩せるので鉢植えで育てる場合はちょっと頭の中に入れておくと良いかと思います。

 

増える?

いかにも種で増えそう感じ。

グラス類、特にイネ科はカッコイイけど一回植えるとドンドン増えるから嫌!という意見は正直少なくない印象があります。

 

とある人

根の張りも強いから抜くのも一苦労

 

と言われる方も。

どこかのサイトで見ましたが、「このグラスは他のグラスのように自然増殖しないです」と書いているのを見たことがあります。

しかしながら1年半ほどbluemoon_cottage さん  の所で地植えされている株を見させてもらっていたのと、

僕の圃場にて6号ポットにて2年ほど育ててみて

 

★ポイント★

このエリムス はこぼれ種ないし地下茎で増えます。

3.5号苗ですが根が飛び出してます。

2年目に突入した6号ポットの株はビニールのポットを根が突き破っていて、

長年放置したポットに勝手生えてきたイネ科植物も同じようにビニール程度の強度の薄さなら根が突き破るので、

「エリムス マゲラニクスも他のイネ科と同じ穴のムジナかな」っと思っています。

このように地下茎で増えていきます。

それほど離れた所に芽を出すわけではないですが地下茎で新しい芽が出てきています。

 

また穂が上がっている様子ですが下の画像のように、

種をできるだけ遠くに飛ばそうとしているのか、1mから1.5mほどの高さの位置まで花茎は伸びます。

そのせいか自然発芽する場合はやや離れた場所から出ることがあります。

 

自発的に増えるのが良いことなのか悪いことなのかは人それぞれだと思います・・・。

 

一応参考までにエリムス マゲラニクスの自然増殖について。

というわけで今日はエリムス マゲラニクス でした~

ではでは~(^^)v

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