(元)バックパッカーな園芸家・伊藤章太郎が植物のことを中心に綴ってます。

ショウタロウブログ

セントーレア ’ブラック・スプライト’について。まだ歴史の浅い黒花のヤグルマギクです。

2016年7月13日

どもども~(^^)v

画像を整理してたら久しぶりに見た今日は植物をまとめてみました。

セントーレア’ブラック・スプライト’ (Centaurea montana 'Black Sprite')です。

画像とデータ

  • 学名:Centaurea montana'Black Sprite'

  • 別名:

  • 分類:キク科

  • 原産:

  • 形態:耐寒性多年草

  • 耐寒性:USDA 5(-28℃前後)

画像のデータを見たら2013年になってましたが、確か温室にて1鉢管理していて夏越しさせて翌年撮った画像が↑の画像です。

それから一度も生の’ブラックスプライト’を見てないのですっかり頭の中から存在が消えてました。

ブラック・スプライト誕生秘話

国際特許というかアメリカの特許証って言うんですかね、それを見てみると元々は2006年にニューヨーク州でセントーレア’ブラック・ウィドウ’の変異株としてこの’ブラック・スプライト’が見つかり、2008年に「株分けで増殖」が始まりました、とあります。

「株分けで増殖」とこの植物の説明書的な国際特許に書いてあるので、たぶんいろいろと増殖方法を試験したのかなと想像します。

実生で現れた株と栄養繁殖との株を比較して先祖返りがはっきりわかるレベルの差があり、また栄養繁殖でも挿し木ではなくわざわざ「株分け」との表記をしているので、この「ブラック・スプライトという植物」を維持していくのには株分けしかなかったのかなっと思います。

流石はRHS!

増殖を開始しつつも2007年に’ブラック・スプライト’は英国王立園芸協会(Royal Horticultural Society)=RHSにて花色の判別試験を行い、

また開花期間や耐寒実験などをアメリカ国内で同時に行っていき新品種としてのデータを揃えて2011年に特許申請、2012年に特許取得、という流れになってます。

国際特許だからかもしれませんが、色の判別だけでRHSが関わる、というのは初めて知りましたね・・。たぶん他の植物も同じ手続きを取ってるモノが多いんだろうな、と思いますが、

なんでもRHSには植物用の比色定量法というんですかね、そういったチャートがあるようでそれを用いて新しいその植物にとって初めて現れた花色かどうかを確定させるみたいです。

流石は数百年の歴史がある園芸団体です。

想像ですが似たような黒いセントーレアがありましてそれは’ブラック・ウィドウ’というのですが、たぶん'ブラックスプライト'変異種なんじゃないかなと思っています。

'ブラック・ウィドウ'の画像リンクを貼りますが画像で見る分には’ウィドウ’の方が中心に青色が入っているので違いははっきりわかりますが、

色判別をRHSにしてもらったのは特許的なことも含めて「念には念を」ということなんでろうなと思います。

セントーレア 'ブラック・ウィドウ' の画像は→こちら

育て方

>’ブラック・スプライト’ですが夏越しにけっこう気を使ったほうが良いかな、というのが1年の生育サイクルを見てみた感想です。

高温多湿を好まないといわれる原種のセントーレア・モンタナを太平洋側の地域で毎年生存させるのはややむつかしい、というお話しをよく聞きますが、

この’ブラック・スプライト’もモンタナ系なので白花や青花のモンタナで「過去にやらかしている方」はちょっとお気を付けください。

月並みな言い方ですが、

  • ほどほどに水はけの良い土で
  • 6月~9月に多湿の状態になるような場所はNG
  • 真夏はなるべく明るい日陰になるような場所推奨

といった感じですかね。

東北や北海道、長野県のやや標高の高いところ、他にはポレモニウム(エゾハナシノブ)が勝手に自生する地域などにお住まいの方はあまり気にしなくても良いですが、

その他の地域では夏をいかにして乗り越えさせられるか、が経験的にポイントになるんじゃないかな、と思います。

 

というわけで今日はあまり流通用のないセントーレア’ブラック・スプライト’についてでしたが僕が歴史が好きなのでこのような内容になりました笑

ではでは~(^^)v

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