(元)バックパッカーな園芸家・伊藤章太郎が植物のことを中心に綴ってます。

ショウタロウブログ

カナリナ・カナリエンシス の育て方。耐寒性について書いてありますよ。

2016年12月17日

どもども~(^^)v

今日は「赤いキキョウ」と呼ばれる珍しい植物、カナリナ・カナリエンシス(Canarina canariensis)の育て方についてです。

画像とデータ

  • 学名:Canarina canariensis
  • 別名:カナリーキキョウ
  • 分類:キキョウ
  • 原産:カナリア諸島(テネリフェ島)
  • 形態:耐寒性多年草
  • 耐寒性:USDA 10b(1.7℃前後 ※露地越冬の場合)
  • 花期:春(株によっては12月~1月頃に開花)

カナリナ・カナリエンシス・・・数あるカナリア諸島出身の植物の代表中の代表で、種小名にも「カナリエンシス」とカナリア諸島由来なため文字通りカナリア諸島の象徴的植物になります。

属名(カナリア)にも種小名(カナリエンシス)にも同じ意味が由来の学名が付けられるケースってあまりないんですよね。日本ですとトキの学名がニッポニア・ニッポンとなっているケースがありますが^^;

つる性なためけっこう大きくなります。草丈は1.5mを目安に。

カナリア諸島ってどこ?

北アフリカというか西アフリカ沖に位置してますが、スペイン領です。

カナリア諸島と聞くと南米の方に位置してるっぽく思うのは僕だけかもしれませんが、意外に正確な位置を知っている人って少ないのではないでしょうか?

カナリア諸島はもともと大航海時代に新大陸攻略のための重要基地的な役割を担っていた場所で、(新大陸で略奪した)人やら物資やら色んなモノが往来し交易し発展していった島々です。いまは欧州人にとっての人気のリゾート地になってます。

僕が死ぬまでに一度行ってみたい所の1つであります。


基本的に年中気温の上下の差は激しくなく、常夏的な気候の場所になります。

育て方

耐寒性

こう見るとカンパニュラだなぁ~っと。

カナリア諸島で一番有名なテネリフェ島には3700mの山がありますが、このカナリア・カナリエンシスが自生する地点は1000m付近までと言われています。

自生地は雨は少ないものの霧が多いためそこから水分を吸収しています。

またコニファーのような針葉樹が茂っている山地に自生しているため、霜が降りても木々が霜を防ぐため霜は直接降りる環境ではないです。

そのため日本国内で管理する場合で冬越しさせるには霜が降りる場所はNGです。

それとこの植物はおそらく根が凍ると枯死にます。

僕はこの植物をかれこれ5年は触っていますが、この情報を知ったため冬越しは毎年温室内で行います。

僕が使用している温室は無加温なので冬季は温室内でも0℃以下になることはよくあります。

しかしながら霜や雪除けはできているせいか毎年なんの問題もなく越冬しています。

地植えで大きくしている人や鉢植え管理されている人は11月頃からは寒さ除けをした方が無難です。

芽吹き

だいたい10月くらいから出てきます。

花が終わり始める5月末あたりから葉が黄色くなり徐々に枯れていき、7月に入る頃には地上部が完全になくなります。このキキョウは完全に夏の間は地上部が無くなるタイプの植物です。

そして10月頃から再び芽吹きが始まります。

芽吹きしてからは早いです。

しかしながら地上部がなくなっても完全に根を乾燥させると枯れる球根植物のように根が死ぬ可能性があるので、頻繁に水を与える必要はありませんが週に一回くらいは湿らす程度の水やりはしてください。

開花期

ツボミはこんな感じ。

原種なせいか開花はだいたい4月くらいなのですが、以前12月に開花したりと株の充実具合などで開花期はマチマチです。

でもだいたい4月頃に開花します。

増殖方法

黒と言うか茶色の線が入ってます。

増殖は一般的にキキョウと同じで根を分けるのが良いです。実生ももちろんできますが、個人的にいままで一度もタネが採れたことがないんです。

初めて種からやってみた。

なので株分けではないですが、根をしっかり育てて根を分けて分けた根を土の中に埋める「根伏せ」での増殖が一番確実だと思います。

ちなみに「根伏せ」ができるようになるまで苗から3年は必要です。

というわけで今日はカナリナ・カナリエンシスについてでした~

ではでは~(^^)v

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