(元)バックパッカーな園芸家・伊藤章太郎が植物のことを中心に綴ってます。

ショウタロウブログ

アカンサス 'ホワイトウォーター' の育て方。。スピノサスでもモリスでもなく交配種です。斑が消える原因や育て方なども。

2018年11月28日

どもども~(^^)v

不規則に白い斑が葉の端から中心部に向かって入る中型種ですね。

「赤軸」と呼ばれるやや赤黒い花芽と白い萼(ガク 上の部分)と苞(ホウ 下の部分)も他のアカンサスにない特徴でもあります。

ここではアカンサス 'ホワイトウォーター' の1年の生育サイクルや育て方や気を付けたいことについてです。

画像とデータ

赤軸で白い苞がかっこいい。

  • 学名:Acanthus spp. 'Whitewater'
  • 別名:
  • 分類:キツネノマゴ
  • 原産:
  • 形態:耐寒性多年草
  • 耐寒性:USDA 7b(-15℃前後)
  • 花期:春

学名のspp.ですが、不明種や新種に付けられる sp. の複数形で

Acanthus sp.

だと不明種の一種ですが、

Acanthus ssp.

ですとアカンサスの不明種の複数種となります。

つまり

アカンサスなのはわかるんだけど、いくつか不明種があるんだよね~モリスなのかスピノサスなのか断定ができないけどなんなんでしょうね。

といったニュアンスです。

このホワイトウォーターについての出生は下記で詳しく説明しました。

草丈は1.2m、株張りは60cmを目安に。

モリスの斑入りなの?

アカンサス・モリス・・・?

「アカンサス」

と言うと真っ先にどこかのお庭や有名ガーデンの日陰やそれなりに明るい所に植えられている株張り1mを超えるあの巨大なアカンサス・モリスを思い浮かべる人がほとんどだと思います。

アカンサス・モリスを見てみる

このホワイトウォーターは姿形が「それ」に似ているため「白斑のアカンサス・モリス」と思われがちですが実際は違います。

交配種です。

切れ込みの深い葉がスピノサスを連想させます。

以前ネットで色々とサイトを見ていた時に似たような白色の斑入り葉のアカンサスでアカンサス・モリス 'タスマニアン エンジェル'というものを見つけ、なんとかして手に入れたいなっと思い数年後に国内で流通しているこのアカンサスを見つけた時に

 

ホワイトウォーター?なんぞ?

 

と思いつつも「また商標がどうとかで名前を変えて流通させたのかな」っと思いましたが、いろいろと検索してみてたどり着いたのがアメリカのパテントサイトでした。

そこにはホワイトウォーターの出生が書かれており、

 

ポイント

アカンサス 'ホワイトウォーター' は

アカンサス x 'サマー ビューティー' と アカンサス・モリス 'タスマニアン エンジェル' の交配種です。

 

と書かれています。

サマービューティー・・・・また知らないアカンサスが。

今度はサマービューティーを検索すると

メモ

アカンサス・モリスとアカンサス・スピノサスの交配種です。

ということが判明。

つまり

 

ココがポイント

ホワイトウォーターは、モリスとスピノサスの交配種のサマービューティーとモリスの斑入り種との交配種

 

というややわかりづらい交配種です。

しかしながら、ホワイトウォーターはモリスの特徴の草丈が最大で1.5m以上になり株張りも2mを超える巨大さはなくそれでいて高温多湿に強く、

スピノサスの特徴である葉の深い切れ込みと株張りが90cmほどというモリスのように場所を取らないコンパクトさを引き継いでいます。

 

また、モリスの白斑種のタスマニアンエンジェルとホワイトウォーターは写真や画像で見るとそっくりですが、

 

ホワイトウォーターの方が小ぶりで葉の切れ込みが深いです。

 

という違いがあります。おそらく生育サイクルはほとんど同じでしょうけどね。

っと数年のモヤモヤが晴れたましたって話です。

育て方

基本的な扱いはガーデニング花材として使用されるモリスやスピノサス、バルカニカスなどのアカンサスの類と同じ扱いで良いです。

 

ポイント

・半日陰から明るい日陰

・水気が何日も抜けない場所を避け根腐れしない水はけの良い土に植える

 

直射日光が長時間当たらない場所で風通しの良い場所ならどこでも良いかと思います。

特徴

ガーデニングに使用できる多くの斑入りのアカンサスに共通する点ですが、

基本的に

 

ざっくり覚えておこう

  1. 春は斑がしっかり入り開花
  2. 夏は地上部が枯れ始め最終的にほとんど消える
  3. 秋は芽吹き
  4. 冬は地面付近で縮こまっている

 

といったような感じのサイクルです。

繰り返しますが基本的に、です。地域や株の成熟具合で違う場合が多々あるかと思います。

長年ホワイトウォーター以外の斑入りのアカンサスを触ってますが、夏でも地上部分が残ったり冬に消えて暖かくなるといきなり芽吹いて急激なスピードで大きくなったりすることもありました。

ですがだいたい上のような時系列で育つことが多いです。何かの参考になれば、と。

斑が入っている時期ですがざっくりで3月から7月、たまに9月から10月、です。

曙斑と呼ぶのでしょうかね。生育期や生育が緩慢な時期は斑が消えます

続いてホワイトウォーターの1年の生育サイクルをざっくりと画像を見ながらどうぞ。

3月

斑の部分が目立ち始めます。

株は6号鉢に入ってます。

斑入っていない緑色の葉がありますね。

新しく展開してきた葉に斑が入ってますが、3月辺りから緑色の葉にも斑が浮き上がってきます。

4月

愛知県での4月15日の状態です。

よく見ると花茎があります。

そろそろ花茎が上がりそうな勢いを感じますね。

5月

開花?

5/23の画像です。

開花まで一カ月と少しを要して開花しています。

葉の様子はこのような感じです。

ところどころ緑葉があります。

 

っと6月、7月の画像がないのですがだいたい7月の上旬あたりまで開花し花茎が茶色くなり徐々に全体的に枯れていくっという感じになります。

8月

画像は8月30日ですが、芽吹き始めています。

7月に入り徐々に地上部分が枯れます。そして地上部分はいったん完全になくなります。期間は個体差や株の成熟具合によりますが、長いと二カ月くらい芽吹きしない場合があります。

地域や株によっては地上部分は残る場合はありますが、僕の経験では完全になくなるパターンが多い印象があります。

9月

9月12日です。

葉が展開し始めてます。

9月ごろでも白い斑は焼けてなくなる可能性が高いです。

いきなり白い葉が出てくることがよくあります。

ですが、蒸れせいなのかわかりませんがこの時期に現れたこのような斑が入った葉はたいがいなくなります。

11月

3月ごろまでだいたい緑葉です。

11月の様子です。

成長期というのか生育期なのか斑が入った葉はあまり出ません。10月あたりからこれくらいの時期に植え替えや追肥をやると良いです。

よく見るとすこし斑は入ってます。

っとここから12月、1月、2月の間は霜や雪など寒さで葉痛みをしまた縮こまった感じの形になります(俗に言うロゼットを組んで越冬ってヤツです)。

それで

3月の状態に、という流れです。

40℃超えを15日ほど記録した年の僕の温室内でも鉢植えですが問題なく超えましたし、雪はそれほど降りませんでしたが最低気温が-8℃が3日続いたときも問題なかったのでデータ通りの性質かなっと思います。

同じ愛知県内でホワイトウォーターを地植えされている方の所でも同じように育っていると言われています。

 

ですが気を付けることがもう一つ。

 

モリスやスピノサスなどガーデニングに使用できるアカンサスは総じて水持ちが良い土に植えると夏や冬とか季節に関係なく根腐れを起こしやすいです。

 

雪が長く積る地域などはマルチングを厚くしたりするなどの工夫が必要かも。堀り上げてしまうのが一番良いですかね。

 

というわけで今日はアカンサス 'ホワイトウォーター' でした~

ではでは~(^^)v

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