(元)バックパッカーな園芸家・伊藤章太郎が植物のことを中心に綴ってます。

ショウタロウブログ

オランダのスキポール空港内にあるブランド免税店と一緒に球根が並んでいます。

海外から植物(種子・果実・切り花・ドライフラワー含む)を個人輸入する際に注意すること。植物検疫証明書(Phytosanitary Certificate)は必須です。

2018年9月23日

どもども~

唐突ですが、

 

英国のガーデンで使われているあの花がほしい・・・・

 

なんてことを思ったことがある人は決して少なくない、というか思ったことがない人はいないと思います。

旅行ついでに現地の生産者やガーデンセンターに立ち寄って買って帰ってきたり、eメールを通じて種子を送ってもらったり、などを行ったこともある人も決して少なくないと思います。

一応個人輸入という形になりますので、その際はちゃんと病害虫がいるかどうかなどの検疫は受けた、もしくは受けたと証明できる物でしょうか?

 

受けなかった場合、興味や憧れで持ち込んだ植物が原因で日本の自然体系や産業に大打撃を与える可能性があります。

いままでは帰国時に植物を空港にある検疫所で検査をして合格をもらえれば良かったですが、

 

種子や切り花、ドライフラワー、果実、野菜を含めた「植物」を海外から日本国内に持ち込むのに、2018年10月1日より従来の方法では持ち込めなくなりました。

 

たとえ持って帰ってきた「あの花」に病害虫なく、ワシントン条約にも引っかかってるわけでもなくてもいままでのように持って帰ってくると廃棄処分となります。

ここでは従来の許されていた方法と2018年10月1日以降の方法をまとめました。

尚、このページでは種子や球根、切り花、ドライフラワー、果実、野菜などすべて「植物」として一くくりにしています。

植物を海外から持ち込むには

2018年10月1日までは海外から植物を持ちこむ場合には以下をクリアしていれば植物防疫検査官の方から「とりあえず許可」がもらうことができました。

 

これまではこれを守ればよかった

  • 土が付いていない状態(Bare Rootと呼ばれる状態)
  • 病害虫がついていない
  • CITES(ワシントン条約)に該当しない
  • 山取りや地取りなどではない「栽培品」
  • 持ち込み禁止区域からの果実ではない
  • ポピーなど法律で禁止されていない

 

っと思いつくところこれらを守ればよかったです。

それでも基本的には「植物検疫証明書は添付すること」となっていましたが、到着後の税関通過前に空港で持ち帰ってきた植物の植物検疫官の方に目視検査をしてもらい合格印をもらえればOKでした。

6項目書きましたが、ほとんどの場合は上の2つさえ守ればよかったなという印象です。

 

病害虫については根につくセンチュウが問題となる印象が多く、そのため根っこを切り落として「切り花の状態」にして持って帰ってきて空港で検査を受ければ良かったです。

CITES(サイテスと読みます)に関わる植物ですと個人的には、ソテツ類やラン科全般、サボテン科全般、を気を付ければ良かったかなっと思ってます。CITESも別に許可証を添付すれば良いものもありますし。

これらにプラスするとなると、サトイモ科全般とヒルガオ科サツマイモ属ですね。これらも空港での検査だけでは国内持ち込みできない場合が多かったです。

 

と、ここまでは2018年9月30日までの話です。

植物検疫証明書

植物検疫官から頂きました。

Phytosanitary Certificate の取得が義務化

Phytosanitary Certificateは検査証明書や植物検疫証明書と呼ばれ、どの国でも検疫に携わる人にはPhytosanitary Certificateと言えば通じます。

人によっては会話やメールなので文章ではPCやPhyto.と略すこともあります。

 

植物検疫証明書は「植物防疫所」から発行されます。こちらは頭文字を取ってPPS(Plant Protection Service)と略されることがあります。

植物検疫証明書はこのようなモノです。

日本からアメリカに向けての検査証明書です。

以前僕が日本からアメリカに植物を送る際に添付した植物検疫証明書です。

日本へと植物を持ちこむ場合は2018年10月1日からは輸出国の植物検疫機関から発行された日本向けの検査証明書が必須になります。

 

もう一度書きます。

 

2018年10月1日より日本国内に海外から植物を入れる場合は、輸出国の植物検疫に関する政府機関が発行した植物検疫証明書が必須になります。

ない場合はその場で廃棄処分になります。

 

実例として、旅行先のアメリカで植物を買って帰りたい場合はアメリカの植物検疫に関する政府機関から発行された検査証明書が必須、ということです。アメリカでした植物検疫に携わる政府機関でしたらUSDA(農務省)がたぶんそれに当たる機関だと思います。

 

検査を受けずに持ち込んでバレた場合は今後は怒られる以外の処置が待っている可能性があるのでお気を付けくださいね。

 

植物防疫所のサイトで告知されています。

 

ちなみにこちら、

実物を持って帰ってくるだけではなく、インターネットを通じて海外サイトで植物を購入した際でも輸出先の検査証明書がない場合ももちろん含まれます。

 

数年前から国際郵便物でも開封検査が頻繁に行われているので、たとえ種子のような小さいモノでも検査証明書が添付されていない場合は廃棄になると思われた方が良いと思います。

植物検疫証明書が発行されるまでの流れ

廃棄処分ですよ~

Phytosanitary Certificate、植物検疫証明書が発行されるまでの流れについてです。

発行されるまでの期間ですが国によって違います。

検査官が輸出される予定の植物を目視検査で病害虫が無いなど当該国の基準を満たし合格が出れば発行される国もあれば、毎週1回の検査官による目視検査と栽培履歴報告を計9週間続けて問題がなかった場合のみ発行される

など

輸出元の国や輸出先の国によって検査基準が違います。

一言、検査と言っても差がかなりありますので事前に問い合わせるのが先決です。

詳しいことは農務省・植物防疫所に電話でもFAXでもメールすると良いかと思います。

 

 

また日本に植物を持ち込む際に植物名や部位、輸出国や地域がわかっている場合で、持ち込んで良いモノなのかどうなのかということを検索できます。

 

日本が基準です

オランダのスキポール空港内にて。免税店の商品として球根が並んでいます。

園芸大国のオランダではお土産屋でもチューリップなどの球根が販売されています。「Virus Free」など書いてある商品もあるようです。

日本向けではないですが、

アムステルダムにて。アメリカとカナダの旅行者に向けての看板。

Health Certificate と書かれていますが 衛生証明書 というものになります。伝染性疫病などの拡散等がないことの証明書になります。

お店の方が

 

これがあるから日本に持って帰っても大丈夫だよ~

 

っと言われるかどうかはわかりませんが、決して大丈夫ではありません

なぜなら衛生証明書は「動物検疫機関」から発行されるものです。決して植物防疫機関が発行したモノではありません

画像を例にするならアメリカとカナダならチューリップなどの球根を自国に持って帰る場合は衛生証明書が添付されていれば問題ないかもしれませんが、日本へは無理です。

 

なぜなら衛生証明書は植物検疫証明書(Phyto. Certificate)ではないので

 

「だってお店の人が大丈夫って言ってたもん!!!」

なんてことを空港や税関で言って空港の人を悪者にしないためにも、日本の基準というか決まり事に従いましょう。

というわけで植物を日本国内に持ち込む場合について気を付けることについてでした~

ではでは~

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