(元)バックパッカーな園芸家・伊藤章太郎が植物のことを中心に綴ってます。

ショウタロウブログ

プランターなどで使用した古い培養土を再生させて再利用する方法。米ぬかや腐葉土などを使用します。

2017年1月8日

※この記事をすべて読むのには約7分かかります

園芸をしていると枯れたポット苗や鉢土、寄せ植えを組み直した時に余分の土が残ったり、と園芸をし始めた頃はそれほど気にならなかったのにお庭なりベランダの脇に数年経つと

 

「あれ、いつの間にか要らない古い土が山になってきてる・・・・」

 

なんて経験をしている人は決して少なくはないかと思います。

ピートモスは繊維なので可燃ごみとして捨てられますが、土はごみとして捨てられる自治体は少なく、

かと言って勝手に公園などに捨てると不法投棄になります

 

見つかったら捕まります。

 

場所や自治体によってはた一発アウトなところが多いです

 

僕は園芸屋ということもあってか、園芸を始めてすぐにこういった余分な土や枯れたポットの土がたくさん余ってきて

 

「なんとかなんないかな」

 

ということを思い、知り合いの昔ながらの方法で独自に培養土を作っている農家さんに相談したところ土の再生方法を教授してもらえました。

植え替えの度に新しい培養土を買ってるとお金もかかりますしね。

 

なので、毎年2回行っているその農家さんから伝授してもらった僕なりのやり方を今回はまとめました。

簡単に言うと発酵させるだけ

使い古した土の再生方法ですが、ざっくり言うと

「米ぬかを使い発酵させ土を再利用できるようにする」

というものです。

ざっくりするのでもうちょい詳しく書くと

発酵させ土に有用微生物を呼び肥料分を充填する

ということです。

土の再利用に必要な材料と道具

まずは以下のものを用意しましょう(^^)

材料

用意するもの

  • 古い土(プランターなどで使い古した土)
  • 米ぬか 
  • 腐葉土やバーク堆肥 
  • 有機石灰 
  • 塩 少々
  • 砂糖 塩の3倍くらい
  • ヨーグルト少々
  • 水たくさん

道具

用意するもの

  • 古い土を入れる物 要らないプラスチックの衣装ケースのようなモノや漬物樽など
  • ブルーシート的な土を薄く広げられるもの
  • じょうろなど水やり用具

 

材料についての詳しいことはこのブログの最後に書きました。

手順

この6手順でOKです

手順ですが、

1.古い土に有機石灰を混ぜてブルーシートになるべく薄く広げて直射日光にあてしっかり乾燥させる。

 

2.乾燥させた土に砂糖と塩を入れて熱湯を軽く、でもまんべんなく注ぐ。

 

3.熱湯がぬるくなったら土を入れる容器に移す。

 

4.米ぬかと腐葉土を入れてしっかり混ぜ込み水を入れてまた混ぜ込む。季節や発酵の進み具合にもよりますが1週間くらい経過すると、白い菌が土の表面に現れます。

 

5.上手に発酵が進むと土中の水分がかなり失わているので水を注ぎ足して再び混ぜ込む。また発酵している個所は塊になっていることが多いので塊をほぐす。土の温度が上がらなくなったらヨーグルトを少し入れた水を入れる。

 

6.1週間に1度で良いので時々混ぜ込む。土から雑木林のような良い香りがしたら終了!

この6つの手順になります。

 

季節によりますが発酵を終えた、と判断して良い状態になるまでの目安ですが

気温が30℃を超える時期ですと2週間くらい、10℃を下回る時期でしたら3カ月くらい

になります(^^)v

 

続いて解説です。

1の作業について

水気が完全になくなるまでしっかり乾かしてください。

使い古した土には良い菌も悪い菌もバクテリアも害虫も存在していて一度リセットするためです。

また日光にさらす理由は紫外線に直にさらし滅菌することが目的です。

 

古い土は酸性化が進んでいます。

酸性化している土壌には上記の良い菌も悪い菌も住みやすい環境になっているため、

それらを一度リセットし無効化するため酸性化した土を中和する目的として弱アルカリ性の有機石灰を入れます。

2の作業について

ここでの砂糖と塩を入れる意味は、

 

覚えておこう!

  • 砂糖は土着微生物の類を呼び込むため
  • 塩はミネラル補充と雑菌の繁殖の防止するのため

 

です。

塩は超微量でも良いので入れましょう。

熱湯を注ぐのも滅菌作用の一つです。

3の作業について

土を今度は日光から遮られるような容器に移します。

僕はトロ箱や船と呼ばれる土建屋さんがモルタルを練る時に使っているモノに土を入れてます。

日光を遮るものは僕は培養土や腐葉土が入っていた袋を重ねて使ってます。

先述してますが、日光に含まれる紫外線は滅菌作用があります。

園芸を始めるまでまったく考えもしなかったことですが、紫外線=太陽光は「太陽神」と昔の人たちが崇め敬った通りに「絶対的な存在」なんだと思いました。

しかし、これ以後の作業では有用菌を増やす作業があるため、これより先は日光に当てない工夫が必要になります。

それと土をいれる入れ物は「船」ではなく使ってないプラスチックの衣装ケースでもOKです。

意外にこのような底が浅くて横に広いプラスチックの容器は植え替えとか株分けの時にも使えるので1つあると便利です(^^)

 

の作業について(ここが一番重要!)

この4番目の作業が一番重要です。

腐葉土やバーク堆肥は納豆菌などの土中有用菌の補充、米ぬかはそれら菌のエサとして考えてください。

土と腐葉土などと米ぬかの割合ですが、

ざっくりで良いのでだいたい5:3:2で良いです。

この比率はだいたいで良いです。絶対にこの比率でないといけない、訳ではありません。

見た目的にこれくらいかな~、で良いです。

だいたい、で良いです(^^;)

米ぬかは少しでも水分を吸うと固まるのでなるべく水を播いた時に大きな塊にならないように、丁寧にしっかり米ぬかの塊を崩しながら細かくして土の中に混ぜてください。

それで米ぬかを土に入れ混ぜたら続いて腐葉土を投入。

右側が米ぬかと古い土が混ざった状態。左側が腐葉土です。

こちらも満遍なく腐葉土が隅々まで行き届くようにしっかり混ぜ込みましょう。以外に重労働です。

それでこれでもかっ!というくらいしっかり混ぜ込んだ後に水の投入。

この時は僕はいつもじょうろを使います。水が10L入る大きいじょうろ(^^)

水を入れる量ですが、手で握って土が崩れるくらいの塊の状態がベストです。

自信のない方は土を掴んでパサっと崩れる程度でも構いません。ハス口を付けておくと水が分散してかき回しやすいです。

しっかり底の部分まで水分が届いて湿り気のある程度の量を入れましょう。

 

水が多いと失敗するので、自信がない人は「少ないかも」と思う位の量でOKです

 

水をある程度入れたら、じょうろを置いて下の方にある土を上の方に持ってきてかき混ぜ・・・で、水気のない土が多くなったらまたじょうろで水をかけ・・・

という行動を数回続けます。

この方法での土の再生では、この時の水の量が一番重要です。

 

ココに注意

水の量さえ間違わなければほぼ失敗しません。

 

 

じょうろはどのようなものでも構いませんが、10Lというと10kgなため意外に重いのでお気を付けください。

ちなみにネット検索してたら10Lじょうろで取っ手が2つついていて1つが可動式というなんとも便利なじょうろを発見しました。取っ手が2つあるので両手持ちができますね。あと見た目がオシャレです。

こちらが取っ手が2つあるじょうろです ➡ タカショー フィスカース ジョウロ

 

それで土全体がしっとり潤いましたら、

太陽の紫外線から菌を守るためと、発酵が進みやすいように熱を逃がさないため、それと次の5の段階でも書いてありますが、

発酵すると土から水分が失われるのでそれを防止するために「何か」で土を覆いましょう。

「何か」上の3つをクリアーできるモノでしたらなんでも構いません。僕はいつも培養土が入ってた袋で「ふた」をします。風で飛んでいきやすいので余った苗ケースや小石を置きます。

カビではありませんよ~(^^)

うまく発酵が進んでいると上の画像のように土の表面にカビのような白い綿毛のような塊が現れますが、そ

れはカビではなく米ぬかから出た麹菌です。安心してください(^^)

また土の中が非常に熱くなります(60℃近くまで上がります)。温度が上がることは発酵がうまく進んでいるということです。

 

さらにうまく発酵が進んでいると甘酸っぱい臭いがします。

 

この甘酸っぱい臭い」は発酵が上手く進んでいるかどうかを見極めるとても重要な判断基準です!

ココがポイント

甘酸っぱい臭いは上手く言っている証拠!

 

こんな感じに麹菌が現われることも(^^)

逆に発酵がうまくいっていない場合は

、麹菌が動いている様子(白い塊)が見られずあまり土の中が熱くなく、なによりアンモニア臭に似た鼻を刺すような臭いがします。

 

鼻を刺すけっこう強烈な臭いです。

 

このような臭いが出ている時は発酵ではなく腐敗(腐ってる)です。

 

発酵と腐敗はまるで相対する位置関係ですからね~。

このような強烈な臭いがする状態になっていたら、腐敗が進んでいるので土を余分に継ぎ足してしっかりかき混ぜるか、また1に戻りやり直してください。

ココがダメ

土に熱を感じられず、鼻を刺すようなアンモニアっぽい臭いがしたら失敗しています!

5の手順について

発酵が上手に進むと温度が上がり土中の水分がどんどん蒸発していきます。

そのため発酵し始めたら毎日一回で良いので土の乾き具合を見てください。土が明らかに乾いているように見えたら水を4の手順の量(手でにぎると塊ができる程度)与えてください。

 

発酵が落ち着いてきて、土の温度も下がったらヨーグルト水を入れてください。

またこの時も菌が発生している箇所はカチカチになっているので、しっかり崩してほぐします。

 

ヨーグルトに含まれる乳酸菌は腐敗を防ぐ効力があります。少量でも良いのでヨーグルトを入れるだけでもその効果が期待できます。乳酸菌は菌の中でも力関係という意味で強い菌です。

水に少しヨーグルトを混ぜて土にかけるだけでよいです。僕はこれをヨーグルト水と呼んでます(^^;

6の手順について

5の状態の後、一週間に1度の頻度で状態を確認しパッサパッサに乾いていたら水を足してしっかりかき混ぜてください。

これを数回繰り返し混ぜると徐々に塊が少なくなり柔らかい土になっていくのでそうなってきたらほぼ完成です。

最終的に土の臭いが雑木林のような臭い(悪臭とは感じない)がするはずです。

繰り返すと

1.古い土に有機石灰を混ぜてブルーシートになるべく薄く広げて直射日光にあてしっかり乾燥させる。

 

2.乾燥させた土に砂糖と塩を入れて熱湯を軽く、でもまんべんなく注ぐ。

 

3.熱湯がぬるくなったら土を入れる容器に移す。

 

4.熱湯がぬるくなったら米ぬかと腐葉土を入れてしっかり混ぜ込み水を入れてまた混ぜ込む。季節によりますが1週間くらいして上手に発酵が進んでいると白い菌が土の表面に現れます。キッツイ臭いがしたら失敗です!

 

5.上手に発酵が進むと土中の水分がかなり失わているので水を注ぎ足して再び混ぜ込む。また発酵している個所は塊になっていることが多いので塊をほぐす。土の温度が上がらなくなったらヨーグルトを少し入れた水を入れる。

 

6.1週間に1度で良いので時々混ぜ込む。土から雑木林のような良い香りがしたら終了!

材料について

材料についてですが、ほとんどがホームセンターや園芸店で揃う物ばかりです。

米ぬか

精米機があまり存在しない都市部では米ぬかの手配が難しいかもしれませんが、精米機があるJAなどに行くと精米機の脇に米ぬかだけ置いてある小屋があり、(無料で)お持ちくださいと書かれている場合もあります。

 

楽天でも米ぬかは手に入れることができます。 

腐葉土やバーク堆肥

腐葉土やバーク堆肥は購入する前に中身を空けて確認するのは難しいですが、なるべく細かく中の成分が黒くなっているモノがオススメです。

成分が細かくさらに黒くなっているモノが良い理由は良い状態で発酵が終わっているからです。

 

パッケージから良質かどうかを判断するのは難しいですが・・・・(^^;) 

 

有機石灰ですが、僕は有機石灰を使う時はいつも「貝の化石」が入っている成分を使います。

有機貝化石の利点ですが植物にとって栄養を吸い上げる役割を担うカルシウムなどのミネラルを多く含んでいるためで、

また目には見えませんが多孔性(穴が多い)なため空気を土中に入れることで土全体を柔らかくし根を張りやすくする作用があるためです。

 

というわけで今日は土の再生方法についてでした~

>ではでは~(^^)v

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