(元)バックパッカーな園芸家・伊藤章太郎が植物のことを中心に綴ってます。

ショウタロウブログ

場所によっては厄介者扱い・・・

那覇の首里城で見つけたアンティゴノン・レプトプスについて。 和名はアサヒカズラです。

2016年12月5日

どもども~(^^)v

今日はつる性植物です~

画像とデータ

首里城・守礼門のすぐ隣の城壁にて(^^)

  • 学名:Antigonon leptopus
  • 別名:アサヒカズラ
  • 分類:タデ
  • 原産:メキシコ
  • 形態:耐寒性多年草
  • 耐寒性:USDA 9(-3.9℃前後)
  • 花期:最高気温が20℃以上の季節

那覇市になる首里城内へと歩いているときに守礼門にさしかかった時に守礼門ではなく真っ先に目がいってしまったのが、守礼門の隣の城壁に絡まったこのアンティゴノン・レプトプス(アサヒカズラ)でございまして・・・(-_-;)

霜や雪など寒さに触れるとほぼ地上部を無くし露地での冬越しにはやや気を使うため、「うん、まぁそれほど気合を入れて育てなくても・・・」みたいな事もあり年中通して僕は管理をしたことがなかったですが、

豪快に育っている実際の姿を見た時は首里城内を歩いている時に遠目からでもすぐに

「あ!アンティゴノン!!!」

とわかりました^^; 特に思い入れがあるわけではないですが 笑。

つるは10mほど伸びますので育てようかと思っている人はそれなりの場所が必要なことを覚えておいてくださいね。

タデ科のつる性

緑のカーテン~(^^)

実はさきほどまで恥ずかしながら何科か知らず適当にWikipediaなどを眺めていたのですが、タデ科です。言われてみれば花というかピンク色のガクの形状がどことなくタデ科っぽいなと。

でもつる性ということもあってか、原産地もさほど距離が離れていない小さいブーゲンビリアっぽいかな、とも^^;

上の画像はまさに首里城・守礼門の脇にあるアンティゴノンです。

いま思ったのがせっかく守礼門の脇に綺麗に咲いていたので守礼門とアンティゴノンを一緒に撮ればよかったな、と(-_-;)

この画像の左側にたくさん生えてます^^

耐寒性と冬越し方法

耐寒性について

メキシコ原産ということもあってか耐寒性は優れていないであろう、と長年思ってました。ホントに。思い込んでました。沖縄でこれだけ立派に育っているということもあり。

しかしながら海外サイトなどを見てみると、サイト毎に若干の違いはありますが「-9.8℃の地域でも露地越冬した」や「-4℃が限界」など思っていたよりも寒さには強いのかな、と。

また、サルビア・アピアナ(ホワイトセージ)の主な自生地のバハ・カリフォルニアという地域でもこのアンティゴノンは自生しているようで、バハ・カリフォルニアの冬の最低温度が-8℃ほどまで下がるため、

こう考えるとホワイトセージと同じ扱いで良いのかな?とも思ってしまいます。

バハ・カリフォルニアの気候については→こちらへ。

冬越し方法

太平洋側の暖地ではあまり冬越しに気を使わなくても良いような耐寒性を有していますが、しかしながら海外サイトのいくつかには

「株元が凍らないように腐葉土などでマルチングをして寒さ除けをしたほうが効果的」

と書いてあります。

というのもマルチングする意味として、このアンティゴノンの根は地中でサツマイモのように肥大化していまして、おそらくこの根が完全に凍結すると枯死するからなんじゃないかと思います。

ホワイトセージと同様というかそれに近い耐寒性を有していると言っても翌年も育てようとした場合はある程度の防寒は必要になります。

庭植えなどにし巨大化した株は10月頃に一度掘りあげ鉢に植え込み凍らない場所へ移したり、室内に取り込むなりした方が良いでしょう。

フロリダでは厄介者扱い

場所によっては厄介者扱い・・・orz

フロリダでは徐々に生息範囲を広げているせいか、侵略的植物として指定されています。アンティゴノンによる経済的な損失が立証された場合にはすぐにでも高ランクの侵略的生物として認証される可能性が高い、ともされています。

植物について多くことを教えてくださりお世話になった植物学者先生がたまに、

世界的に見ても日本には多くの固有生物がいて、沖縄にも同じように固有生物が存在していましたが戦後アメリカから多くの外来生物が入ってきたためかなり多くの沖縄固有の生物が失われました

と言われていたことをこの記事を書きながら思い出しました。

植物によって生計を立てている身としては園芸種も含めてたくさんの外来種を扱うため、なかなか自分の中で落としどころが難しい話だなっと思いました。

 

では本日はアンティゴノン・レプトプスでした~

ではでは~(^^)v

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