ツルマンネングサの画像

冬に一度ボリュームがなくなり、春の茎が伸長する時期はツルっぽくなっていない。

PR セダム 多肉植物 植物

ツルマンネングサを5項で語ってみた。学名はセダム・サルメントスム。立派な多肉植物です。

2016年8月13日

どもども~(^^)v

ツルマンネングサ(Sedum sarmentosum)、まず表舞台には上がることがないであろう植物についてです。

この記事を書いた人

巨大NGOの下部組織(ブラック)で事務職という名の雑用の後に、なんとなく一人で仕事をしてみようと2008年後半から知識や資金などなど、重要なモノがほぼ0の状態から園芸を生業にした元バックパッカーです。2010年から度々NHK Eテレの趣味の園芸に出演させて頂いています。

もう少し詳しいプロフィールはこちら

画像とデータ

ツルマンネングサの画像

冬に一度ボリュームがなくなり、春の茎が伸長する時期はツルっぽくなっていない。

  • 学名:Sedum sarmentosum
  • 別名:ツルマンネングサ
  • 分類:ベンケイソウ
  • 原産:中国
  • 形態:耐寒性多年草
  • 耐寒性:USDA 7b(-15℃前後)
  • 花期:春

「ツルマンネングサ」のほうが馴染み深いですね。

北半球の各地で見られます

原産地は中国・北京近郊と言われているのですが、公式に自生地が断定される前にすでにアジアから欧州、北米と生息域を伸ばしてしまっていたために、はっきりと元々の場所であったり地域の特定までには至ってないようです。

セダム専門家

北京の近郊というのは間違いない!

と専門書には書いてありますが。

栄養繁殖で増えていきます

ツルマンネングサが自生している風景。

愛知県某所ですが、ガッツリ蔓延ってます。 ちなみにここは土のないコンクリで整えられた河川敷です。

 

北半球各所に爆増した理由ですが、

簡単に栄養繁殖(根や枝など植物が生きていく中で栄養を生成する部分で繁殖すること)しやすい、からで(栄養繁殖についてはこちらで→栄養繁殖

もっと簡単に言ってしまうと、

 

千切れて千切れた部分が勝手にそこらじゅうに根付いていく

 

>というなかなかな強者です。

 

その千切れ具合も人為的に千切られる訳ではなく、強風や洪水など自然の中で起こる出来事で勝手に千切れて生育に合う土地を探すように生息地域を拡張していく

 

というスタイルです。

 

そのためもともと乾燥に強い多肉植物の性質も兼ね備えているため一度根付くとなかなかいなくならない、ということが言えます。

可愛がれば可愛がるほど増えます。

 

また一応花は咲くのですが種からの自然増殖は難しい、とよく言われています、

というのか

「ツルマンネングサは花は咲かない!」

と国内外ではっきりこのように言う方もいらっしゃるほど。 業界的にはこれが通説な印象あります。きっとそこまで注意して見る対象のモノではないから花が咲かない!と断言できるんだろうな、と思っていますが。

そんな僕も花が咲くモノだと思って見ていなかったですし、葉っぱのみでも鑑賞価値があるのでは

程度でしか思ってなかったので、画像はありませんが温室の脇の道で脱走したツルマンネングサの花を見たときはちょっとうれしかったです。

地面に水がなくても増えていける理由

CAM植物

上の画像の場所は愛知県某所でコンクリートで固められた河川敷です、と書きましたが

多摩川や荒川のように野球場やサッカー場があるような大きい河川敷ではなく、ただ洪水を起こさないよう土手をコンクリートで固めて川の水を流れやすくするためだけの河川敷なため、

このツルマンネングサが生えているところは人からも「水」からはやや離れていて、

 

というか

 

直射日光がガンガンにあたって剛健な雑草の代名詞・オオバコでさえ干からびるような所なんです。雨が降らないと水はもらえない場所です。

 

・・・・でもなぜそんなところで生息できるかと言いますと、

 

セダムはCAM植物というモノに該当しまして、

気温の下がる夜間葉の気孔を開き光合成に必要な二酸化炭素などを体内に取り込み、気温が上がる日中葉の気孔を閉めて蒸散による体内水分量の低下を抑える仕組みを持つ植物のこと。エアープランツの代表格・チランジアなどCAM植物に該当します。

ホント簡単に

むっちゃザックリ言うと、

 

明るい時間帯には水分が体内から無くなるのを極力減らして、蓄えた分は暗くなってからの活動に当てる

 

という解釈です(ホントはリンゴ酸を生成してうんたらかんたら、という仕組みがあるんですが端折ります)。

水場に近いところに多いよね?!

それと確固たる学術的理由や裏付けが存在している話ではなく色々なセダムが自生している光景を見ている僕自身の感想ですが、

 

このツルマンネングサも含めて伊豆の城ケ崎海岸で見た同じくセダムのタイトゴメ、伊勢で自生しているマルバマンネングサを見た場所も河原でしたし、

 

エケベリアなども意外に熱帯高山に自生しているものが多く、高山ということは霧が多いですよね。

 

ということから、乾燥に強いと言っても意外に

 

「水がそばにある環境」

 

に生息している印象がとっても強いです。

それはやはりCAM植物の特性として夜間に気孔を空ける際に二酸化炭素以外に空気中の微量の水分も一緒に取り込んでいるからだと思いますっていうか

 

思ってます。

 

以上の2点から地面に水がなくても増えていける理由になります。

外来種・ムシャクロツバメシジミのエサ

愛知県で問題になり始めていることです。

 

2013年頃から上の画像のムシャクロツバメシジミという中国および台湾原産の外来種のシジミチョウが愛知県の西部で発見されています。

なんでも日本で初めて生息が確認された事例ということです。

今回発見されたのは中国の個体です。

 

ただ発見されただけならともかく、外来種問題の1つである同系統で別の種類との交雑ですね。国産のツバメシジミと交雑することで純国産のツバメシジミの個体数の減少がとても危惧されています。

 

基本的に亜熱帯気候を好むシジミチョウですが、標高1200m(!)での生息が台湾で確認されているため生息するにあたり愛知県辺りの寒さはそれほど問題がなかった、という見方をされています。

あまり話題になってませんが、近年このような呼びかけをして愛知県庁と名古屋市も連携を取り駆除に力を入れています。

 

そしてツルマンネングサとの関係性ですが、

ツルマンネングサがムシャクロツバメシジミの幼虫の主となる食べ物というものです。

 

ムシャクロツバメシジミの生息が確認されている場所がツルマンネングサが密生している河川敷のみということもあり、

駆除対象個所がまだ限定的なことが幸いですね。

 

このムシャクロツバメシジミがやってきた理由ですが、

中国から輸入された園芸用植物(断定されてませんがツルマンネングサだと思う)に卵が付いていた

という説が一番信憑性があるようです。

 

というわけで、今日はツルマンネングサでした。

ツルマンネングサだけをここまでフィーチャーした記事は他にはないであろう、という意気込みで書きました。

 

さらに僕が書いた記事が掲載されている2014年1月号の「趣味の園芸」を参考にしながら今日のブログを書きました。

 

こちらのURLから飛べます→ NHK 趣味の園芸 2014年 01月号 [雑誌]

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ではでは~(^^)v

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